Hideko

彼が愛したケーキ職人のHidekoのネタバレレビュー・内容・結末

彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

原題: The Cakemaker

なんだろう、この気持ち。とても惹かれるものがありました。劇場で鑑賞したかった。鑑賞後、いつもの静かなカフェの指定席で1人パンフレットをめくりながらいつまでも余韻に浸っていたかった…。

ジェンダー、国、宗教、結婚etc…様々な障害を超えて育まれる愛。心の底から湧き上がる愛とは如何なる背景があろうとも止めようのないものなのだなと。

トーマス(ティム・カルクオフ)、アナト(サラ・アドラー)。2人の静かだが深い思いが胸を打ちます。

トーマスの作るお菓子やパン、どれも本当に美味しそうで印象的でした。特にクッキーと黒い森のケーキ!

親戚により強制的にドイツに帰国させられるトーマス。しかし、アナトの亡くなった夫オーレン(ロイ・ミラー)の実の母はトーマスとオーレンがベルリンで恋仲であったことをきっと知っていましたね。彼女の自宅でトーマスにオーレンの部屋を見る?と尋ねる母。『ブロークバック・マウンテン』のラストシーンを思い出しました。

本作のラスト…トーマス!振り返って!こっちを見て!アナトがベルリンに、あなたのカフェの前にいるのよ!

その後は観る者それぞれの想像に託されますが…。
きっと……。


サラ・アドラーさんはフランス・パリ生まれのイスラエル人だそうで。今やフランス、イスラエル、アメリカで活躍されているとのこと。一瞬ですが、彼女がシャルロット・ゲンズブールに見えたのはそのせい?何気ないまとめ髪やファッションにパリジェンヌっぽさを感じました。
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