とても切ない恋愛作品。
あらすじは
ベルリンのカフェで働くケーキ職人のトーマスはイスラエルから出張でやってくる常連のオーレンと恋仲に。
オーレンには妻子がおり、また来月と言い残してイスラエルに戻ったが連絡が途絶えてしまい…
全体的に静かで台詞も多くないからか、主人公の孤独と喪失がとても伝わります。
相手が男性であろうと不倫するオーレンはどうかと思うけど、いなくなってしまうことでわかる存在の大きさに心が痛みます。
オーレンの奥さんから聞いた事実にこれまたトーマスは胸が張り裂けそうな心情に。
トーマスのやっていたことは何だろう?
傍目からだとやめなさいと言いたくなることなんだけど、オーレンの軌跡を追うことでずっと彼の存在を感じたかったのか、いなくなったことを確証したかったのか。
たぶんどっちも?そんなふうに複雑でどうしようもない思いがよく描写されていました。
トーマスがやっと涙を流した場面は、とても胸がつまります。
それからトーマスのつくるドイツの素朴なケーキがとても美味しそうでした。
ラストの余韻まで静寂な雰囲気で良かったです。