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北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイのMKのレビュー・感想・評価

1.6
冒頭のセリフ。

この世のすべての芸術は政治的に操作されている
ただし操作する側と同じで言葉を発すれば
この限りではない

全体主義国家で全体主義を唱えればその芸術は意のままに表現できるってことかしら?

表現の不自由…たしかに国家統制とか内部批判の視点は否定されていた気がするけど、外部からの弾圧、迫害はあの展示にあったのかな?

議論にすらならない不自由以前の抹殺された思想、表現。途上国の台頭、欧米列強の介入。そんなものの方が気になるけどな…。

北朝鮮をロックした日…ライバッハ知らないし、この標題とジャケみて、ゲバラみたいな風貌のパンクバンドが全体主義の垣根超えて会場を熱狂の渦に!みたいな結末を想像してしまったけど、まぁある訳ないか、そんな事。

当局の指示と禁止事項さえ遵守すればこんなに過ごしやすくて歩きやすい街はない。
そんな言葉を昔建築の本で目にしたことがある。
全てが統制され、管理され、ひょっとしたら洗脳されている国家。SF小説なんかだと禁欲的で弾圧された超統制国家がよく描かれるけど、それは外部からの視点があるからだけの話であって、相対化さえしなければ幸せな国家なのかもしれない…日本だってそうだし。

という訳でTDLでバンジージャンプ始めちゃうような異物感のみでライブ映像はほとんどなし。
メンバーのコメントとリハーサルの風景がダラダラと流された印象。
当局の要請どおりにプログラムを変えた挙句のほんのすこしのライブ風景と空席の目立つ会場のひややかなリアクション。

カリブの海賊の予定調和な娯楽が標準的ならバンジージャンプなんて全く意に介さないのは当然?

私たちのものとは違うけれど異なる民謡を聴くことが出来て良かった

観衆のひとりのコメントと冒頭のセリフが全てだったような気がする

ひとつのバンドの思想や表現などでは揺らぎもしない統制され洗脳?された思想…結局、この国が一番ロックだって事なんだろうけど。
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