松井の天井直撃ホームラン

食べる女の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

食べる女(2018年製作の映画)
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☆☆☆★★

企画・プロデュース・原作・脚本 筒井ともみ。
原作は既読。

宣伝では8人の女優の競演を前面に謳っていた。
その事から、原作に於ける20編以上ある中の話から。8つの話をピックアップしたオムニバス形式の映画だと思いながらの鑑賞でした。

原作自体は、1つの独立した話の数々で。それぞれ完結はしているものの、短いページ数の制約の為か。多くの話は中途半端気味に終わっている。
その事から、「いくら何でも、この短編集では良いモノはとても」と、思っていただけに…。

なるほどね〜!そう来ますか〜(u_u)

これは原作物を脚本する際に、お手本の様な脚色を施した作品でした。

但し…。

元々が、滅茶苦茶面白い話が続く短編集…と言う訳でも無いので。現状これだけ大胆に脚色する事で、一定の水準以上に引き上げられるとゆう。良い見本になっている…と思えました。

原作で個人的に面白い…と感じたのは。正直に言うと、最初の2〜3編と最後の3編くらいでした。
途中の14〜5編は、半ば惰性で読んでいたと言っても良いでしょうか。
しかし「あれ?」…っと思い当たる節があったので。鑑賞後に原作本をペラペラとめくりながら、あれこれ記憶を辿ってみる事に。

すると…。

独立した短編を色々と繋ぎ合わせていたのは、直ぐに気が付いていましたが。あまり面白い…とは感じなかった話の数々。例えば、山田優のキャラクターは。観ている間にも「このキャラクターって、どの話だったっけ?」と思っていましたが。原作の中での、取り上げられなかった話の中にそれに近い人物が居たり。
BARのマスターで有ったり、子役の役名が別の話の役名で有ったり。原作では短編の中でさえ中心には居ない鈴木京香がその話へとは!…等。いちいちあげているときりが無いので止めておきますが。「この話の中のエピソードが此処に来るのか〜!」と、思い当たる箇所がたくさん。

…とは言え。原作自体が、女性から見た《食とセックスに関する考察》とゆう意味合いを感じたのですが。
原作に於いて登場する殆どの女性が尻軽で。ほぼほぼ強いファザーコンプレックスを持ち。(男は浮気をし)自分は不倫に溺れ(主に映画業界の男)ているとゆう…。あまり褒めらる(面白いと思える)キャラクターが居る訳ではないので。観ていて何処まで興味を保てるのか…と言ったところでしょうね。

女の貪欲な性欲を表しているかの様な描写が。原作に於ける最初の話の終わりに、描写されていました。

【多実子はクスクス笑いながら、台所の暗がりで生玉子かけごはんを食べつづける。シャバシャバシャバ。こんなときフェロモンは、女の体内で密やかに醸造されるのかもしれない。】

2018年9月23日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザ/スクリーン5