じゅーけん

食べる女のじゅーけんのレビュー・感想・評価

食べる女(2018年製作の映画)
3.0
「女子会」というものをそのまま映画にしたような作品。


合コンとか同級会とかのワイワイキャピキャピした感じではなく、ちょっとアットホームな居酒屋とか、誰かの家で食べ物を持ち寄って鍋でも囲みながら、自分たちの身の上話を入れ替わり立ち替わり話して共感し合っている、そんな日常的な女同士ならではの楽しみ。


料理にはいろんな美味しさがある。たとえ素材が同じであっても、食べ方や調理法が違えば、全く別な美味しさになる。
間違った調理法なんて無い。美味しくなるように精一杯心を込めて作ったならば、その思いは少なからず味となって伝わるはず。


人生や恋愛にもいろんな形がある。
楽しかったり寂しかったり悲しかったり辛かったり…。
それらをどう感じどう受け止めどう決断していくのか、それは自分の気持ち考え方次第。
あさはかと思える行動、世の中から白い目で見られそうな行動であっても、自分で決めてしっかり前を向いて決めたことなら、きっと間違いじゃない。

いろんな人がいて、いろんな考え方があって、いろんな価値観がある。
どれかが正解でどれかは間違いなんてことはない。
幸せにだっていろんな形があるのだから、それを決めるのは自分次第。自分が幸せだと感じるならば、それが正解になるのだろう。


「食欲と性欲は同じ」とまで直接的な表現はしないが、恋愛と料理って共通するところあるよね、的な描写の作品なのかなと思う。

女性にもいろんなタイプや性格があって、それを豪華出演陣が各々のエピソードとしてオムニバス形式っぽく表現されている。
物語としても、こういう登場人物たちがいますという設定がざっくりあるだけで、それぞれのエピソードが大きく絡むことはなく、あくまでも各々のエピソード報告的に描かれている。
言うなれば、広く浅くである。

でも、それがこの作品の特徴であり良いところなのでは、と思う。
この作品は最初に言った通り「女子会」なのである。
それぞれが自分の話をし合って「それわかるわかる!」「ん〜、それってどうなの?」「そういうのもアリなのかな」とか、みんなで共感したり考え方を共有したりする。それが楽しいのではないのだろうか。


…とまぁ、知ったかぶって言ってみたものの、男の私にはいくつになっても女心は謎で神秘的なもの。正解は全く見えてきません(笑)
男の私が楽しむには、ちょ〜っとハードルの高い作品だったかもしれません(笑)
せいぜい「こんな雰囲気の良いBARに行ってみたいな」とか「こういう部屋にしたいなぁ」とか、全然関係ないとこに興味示したくらいの楽しみ方でした(^◇^;)

恋愛や人生のスイも甘いも知った女性たちには、エピソード毎に、共感出来たり響いてくるものがあって楽しめるのかもしれない。


オトナな女性のみなさん。
ほっこりした女子会気分を堪能してみませんか?(^.^)