櫻

食べる女の櫻のレビュー・感想・評価

食べる女(2018年製作の映画)
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食べることは生きること。ただ空腹を満たすだけではなく、誰がどんな思いでつくったものなのか、誰と食べるのか、どんな気持ちで食べるのか、で食べることの意味も大きく変わってくる。大切な人たちと美味しいご飯を食べることで、心も満たされる。ということは、常々私も考えていることだ。彼女たちが本当に美味しそうな顔をしてご飯を食べるのを見て、そうよねと頷いた。

彼女たちの恋愛のあれこれも並行して描かれていたけれど、食と性という切り口は前々から興味を持っていた。それを意識しはじめた作品は、白石公子「葡萄の核」という詩だ。対面しながら葡萄を食べる男女の会話を描いたものだが、その描写がなんとも艶かしい。読んでからというもの、葡萄がなんだか生々しい食べ物のように感じられて、視点を変えただけでこんなに感じ方が違うのかと思った。本作はもっとポップに食と性を描いていたが、日常に転がった最も身近な食べることも、視点を変えてみるだけで全然見え方が違うということを描きたかったように思えた。これは道路の下の水の音を聞く、というくだりからも読み取れることなのではないだろうか。


ずっと前に観に行ったのにすっかり忘れていた。うーん、、、となってしまうのが本音。とりあえず今日も明日もこれからも、美味しいご飯を食べていきたいなあと。