言語学者の 【金田一秀穂 】氏の名言に
【 人は 言葉を食べて生きている 】
というのがある
【 死んだ魚の生の肉 どうですか 】
というのと
【 お刺身 どうですか 】というのと
どちらも同じことを言っているが
食べたくなるのは お刺身の方
つまり
人は 【 刺身 】という言葉を通して
食べている
もっと言えば
人は【 言葉 】を食べて生きている
理屈好きな 私には たまらない名言だ
だか 本作品の女たちには
食べることは もっと現実的なこと
食べることは 恋すること
食べることは 欲に生きていくこと
女たちは 遠い月に手を伸ばし
井戸の水面に それを取り込む
月夜の夜に 卵かけご飯
夜中に食べる罪悪感などない
自分で稼いで 自分で食べる
彼女らは
【 当たり前 】を食べて生きている