めかぽしや

ラジオ・コバニのめかぽしやのレビュー・感想・評価

ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)
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トルコとの国境近くのシリアの街
コバニ。
ここはISとの戦いで瓦礫や死体が
散乱しています。
かろうじて脚や腕だった形を留めていて
頭部は切断されたのか胴体とは別れています。
亡骸は瓦礫とともにシャベルカーで
持ち上げられます。

そんな荒廃とした街、コバニで
大学生の女の子がラジオ局を立ち上げます。
その都度差し込まれるモノローグ
“これから生まれてくる我が子よ、この街の大地は私の友人の血で染まっている”
がとても心に残りました。

捕らえられたISの兵士が尋問で
“お金のためにISに入った、
家族に会いたい”
貧困に喘いだ結果が
男の首は切り、女は連れ去り
罪のない老人や子供たちの命は奪われてしまう。

それでもコバニの人々が
街を再建していく姿に
勇気つけられるし、
女の子はフェイスブックもみるし、
恋バナもするし、
そんな娘を心配の眼差しでみるお母さんは
どこの世界でも一緒。
他愛もない日常が輝いて見えます。
そこに流れるラジオは生活の一部なんですね。
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