ラジオ・コバニの作品情報・感想・評価

ラジオ・コバニ2016年製作の映画)

Radio Kobanî

上映日:2018年05月12日

製作国:

上映時間:69分

3.8

あらすじ

トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街コバニは、2014 年 9 月から過激派組織「イスラム国」(IS)の占領下となるも、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により、2015 年 1 月に解放された。人々はコバニに戻って来たが、数カ月にわたる戦闘で街の大半が瓦礫と化してしまった。 そんな中、20 歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう…

トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街コバニは、2014 年 9 月から過激派組織「イスラム国」(IS)の占領下となるも、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により、2015 年 1 月に解放された。人々はコバニに戻って来たが、数カ月にわたる戦闘で街の大半が瓦礫と化してしまった。 そんな中、20 歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう コバニ」の放送をはじめる。生き残った人々や、戦士、詩人などの声を届ける彼女の番組は、街を再建して未来を築こうとする人々に希望と連帯感をもたらす。

「ラジオ・コバニ」に投稿された感想・評価

ゴン吉

ゴン吉の感想・評価

4.0
シリア紛争にまきこまれたクルドの人々の状況をドキュメンタリータッチで描いた作品です。

日本人と同様に文化的に暮らしていた人々が、紛争に巻き込まれ、難民にならざるを得なくなる。
IS兵士も自分の意志というよりは、戦わざるを得ない状況に追い込まれて兵士となる。

こういう作品を上映されるアップリンクさんに感謝です。
yuko

yukoの感想・評価

4.0
2018.7.3 ディノスシネマズ札幌劇場

「レザーフェイス」(殺人鬼)、「心と体と」(食肉工場)と続けてこの映画を観て、何が1番恐ろしいかって、本物の遺体の映像だ。(あたりまえだけど)
瓦礫の中でFM局を立ち上げていく女子大生の強さと明るさに救われる。
ryo

ryoの感想・評価

-
こちらもスコアはつけず。
たくさんの人に観てもらいたい。

ラッカは→ラジオコバニという流れで元町映画館がやってくれてたので感謝。
この流れでみるのが良いと思います。

救いといってよいのかはわかりませんが温かい気持ちになります。
ただもちろんその間に挟まれるのは酷い現実。

みんな観てください。

ラジオって良いですよね。
panpie

panpieの感想・評価

5.0
「おはよう、コバニ」
よく通る美しい女性の声がラジオから流れる。
声の主はディロバン・キコという大学生だった。
若干20歳の彼女が簡易だがラジオ局を友人と立ち上げ住民に取材しクルド人を励ます曲をかける。
〝未来の我が子へ〟と題されたディロバンのメッセージはまだ年若い彼女のこれから生まれるであろう子供へ向けただけでなくこれから生まれてくる子供達へのメッセージと聞いたが遠い異国の外国人の私にも強烈な叫びとして届いた。

美しかった町は瓦礫と化し遺体がそこら中に埋もれている。
斬首された遺体、無数のちぎれた腕や足。
瓦礫に埋まっていたせいなのか死んで日数が経っているからなのか遺体は全体にグレーで見落としてしまう程もはや人間とは思えない。
亡くなった時は血を流したのだろうがその血も最早乾いて遺体に赤い部分もなく朽ち果ててグレーになったのだろう。
それをブルドーザーなどの機材で一箇所に集めて埋める。
この作業をしているのも市民。
作業をしている人はマスクをしているが周りで見ている子供などは臭いのか鼻をつまんでいるのが印象的だった。
「ラッカは静かに虐殺されている」では斬首された遺体を数秒映すだけだったが今作では死んで時間が経過した朽ちた遺体を運ぶ様子を隠す事なく映し続ける。
裸の遺体のお尻が見えて初めて遺体だと分かったり当たり前だが遺体があんなにもだらんと力なくあらぬ方向へ機材から垂れ下がる様子に胸が締め付けられた。
普段映像の世界でしか遺体を見る事もないしそれをありのまま伝えようとする監督にも頭が下がった。
監督のラベー・ドスキーはクルド人でこの戦いで姉を亡くしているそうだ。
囚われたIS兵士の尋問に立ち会って撮影しているシーンではIS兵士が「家族に会いたい」とクルド人兵士に懇願している様子に自分がISに参加した事への後悔は微塵も感じさせず軽いノリで参加した様に思ってしまう。
コバニはクルド人民防衛隊と連合軍の空爆によってISから解放されたが冒頭で空撮された破壊されたコバニの街を見ると空爆で解放されたものの亡くなった市民も大勢いたのではとやり切れない想いが募る。

「ラッカは静かに虐殺されている」と時を同じくして上映された事にとても意味があると感じた。
どちらの方がいいというのではなくこの惨状を平和な日本で知る事が出来るのはひとえに命懸けで撮影した監督他数名の撮影スタッフの強く尊い意思に他ならない。

中東は多民族でひしめき合っている現状が伝わった。
度重なる戦争の度に領土を奪われ国を持たず昔からその場所で生きてきた気高いクルド人。
映画の舞台となったコバニはラッカにも程近いトルコの国境沿いに位置する。
トルコは中東とヨーロッパの境にある為良くも悪くも人々が行き来し栄えている。
長い歴史の中で自分の国を持たないクルド人の戦いの物語だ。
女性も戦いに積極的に参加し命を落とす事も厭わない勇敢な民族だ。
多民族国家なら何故お互いを認め合って平和に暮らせないのだろう。
日々忙しさに忙殺されている自分はこんな稚拙な事しか思えない程やはり平和ボケしているなと痛感する。

ディロバン・キコの若者故の好きな人が出来て結婚する夢を語る所も若い人らしくて作品に希望を与えていて良かった。
朽ち果てた街で若者が結婚して子供が生まれまた街は活気付き再建される様子が想像できる。
彼女は声だけでも有名だったのに今作で顔が知られて更に有名になった様だ。
2014〜2016年に撮影されたそうだがラジオコバニの後教職についた様で今も小学校の先生をしているだろうか。
未来の我が子は生まれているだろうか。
希望を残した終わり方に少しだけ胸がすく想いだった。

パンフレットは「ラッカは〜」と同じく驚きの400円!
上映時間69分。
短いがとても長く感じた。
命がけの撮影をした監督とスタッフへの尊敬を込めてスコア5で。
タイトルロールの、「これは皆のための歌です」という曲紹介から入る明るい音楽と、そこへ俯瞰で映し出される瓦礫だらけの白い街を見たとき突然胸がいっぱいになって涙が溢れてびっくりした。社会学を専攻していたアレッポ大学の学生キコは戦争によって学びを断たれ、一旦は戦火に追われてコバニの街を離れる。戻ってきたコバニで彼女が始めたのはラジオ局。凄いのはこれが実話で、キコが実在の人物であり、国外から危険を冒してコバニへ入ったクルド人監督によって撮られたドキュメンタリーだということ。最初は戦士たちを鼓舞する音楽を流すためだったとパンフレットにあったが、確かに彼らは男女問わず皆闘争心に溢れていて強い。キコの声も伸びやかで花があって、何と言っても強い。だけど彼女たちの「強くあらねばならない理由」を思うと泣けてきてしょうがない。彼女たちにずっと幸せでいてほしいと思った。こんな気持ちになった映画は初めて。
byrd

byrdの感想・評価

-
@シネマテークたかさき
じょり

じょりの感想・評価

3.5
①ショベルカーによる遺体発掘作業シーンの異臭度 90%(震災を思い出す…)
②ISを殺して笑う兵士のショットから推察する監督の目線のフラット度 95%
③ラジオというメディア媒体を優しく感じる確率 94.3%

FMをよく聴くので興味が湧き鑑賞。非日常の日常化がキツい。理髪店の店主と客の兵士の会話と、番組のゲストにジャーナリストが来たシーンが特に記憶に残る。セリフの通り、戦いの間は精神的ダメージに気付かないことが見ていて分かるのがまたキツい。
有事でもディロバンたちの女子トークは和むものなんだな。
踏み込んだ内容のFM放送に市民らは耳を傾けながら内戦から少しずつ立ち直り、本物の日常を取り戻していく街の様子に胸が熱くならざるを得ない。
同一宗教間の争い、一生分かりそうにない…
nero

neroの感想・評価

4.0
上映時間はわずか69分。だが視聴後はそれが短いとは誰も思うまい。その後ろにどれほど膨大な映像データがあるのだろう。戦闘、爆撃、死体、死体、死体、家族、友人、兵士、帰還、生活・・・特に説明もなく切り替えされるカットに、製作者の強い意思を感じるドキュメンタリーだった。事実の重さと映像の力を見せつけられた。

舞台はシリア北部、トルコ国境に接する街コバニ。ISとの戦闘・空爆により街は荒廃した。冒頭の空撮映像に圧倒される。
2015年、ようやく一部開放されたコバニの街で、学生だったディロバン・キコは友人とFMラジオ局を開設する。
戦争状態が続く中、少しづつ復旧して行く、街と人々の生活。彼女は街で、スタジオで、人々のインタビューを続ける。皆が誰かを、何かを失っている。瓦礫の中に寄り添って座り込む家族の遠景が印象的だった。
捕虜となったIS兵士の尋問も挿入され、ムスリム同士の戦争であることが強調される。ゲストに、「貴方にとって戦争とは?」と逆に問われて言葉に詰まるディロバン。それは観ている我々も含めたすべての人間への問いかけでもある。

映画は彼女の結婚式で終わる。未来への希望を絵にした素晴らしいエンディングだ。これはディロバン・キコという少女が成長する3年間の記録でもある。
レベー・ドスキー監督は現在コバニの街に映画館を建てる活動中だそうだ。応援したいと思う。
戦争や紛争が終わるとメディアはそこまでしか報じない。しかし、瓦礫となった街で人々は一生懸命明日に向かって生きてる。破壊され尽くした街で明日に向かって新たに歩き出す人々を一つのラジオ局を中心に描いたドキュメンタリー!とてもいい作品!
ann

annの感想・評価

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同じ大学生がしていることとは思えない。
自分の生活がいかに恵まれているか
考えさせられる。
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