サッカーと映画観るのがすき

天才作家の妻 -40年目の真実-のサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

3.5
小説家とその妻の話なので、必然的かもしれないのだけど、実に文学的な作品だなぁと思った。

一昔前の純文学作家というのは、古今東西、情熱的というか直情的というか、自己中なナルシストみたいな人が多いのか。日本でいうと太宰治とかそのタイプかな。
夫ジョセフはまさにそんなタイプ。若い頃はよくモテたのでしょうが、老いてあのカンジは正直気持ち悪いだろ。おっさんのオレからするとそうなんだけど、女性から観るとまた違うものなのかなぁ。地位や名声のなせる技なのか、どこか母性をくすぐる的おじいちゃんなのか?あのカメラマン女性がなぜ?とかちょっと不思議だったわ。

それはさておき、そんな旦那を作家として、夫として、ずっーと支えてきた妻ジョーンには頭が下がります。これは愛なのか?いや、もはや通り越して愛憎、人生をかけた復讐のようにすらみえてくる。

そんな複雑な心情、喜怒哀楽をたくみに表現するグレン・クローズの演技は素晴らしかった。あと若き日のジョーンを演じた娘さんのアニー・スタークもよかった。

喜劇のようでもあり、悲劇でもある。古典文学のようななんともシュールな作品でした。