るるびっち

天才作家の妻 -40年目の真実-のるるびっちのレビュー・感想・評価

2.0
退屈な駄作ではなく、退屈すぎる愚作。
映画はモーション・ピクチャーだ。
主人公が主体的に人生を切り開いていく様を見せるものだ。
動かずに、台詞で考えを述べれば説明。
行動で、その人の考えや生き様を映すのが映画。
つまり、常に主人公は能動的なアクションを見せるべきだ。
本作はグレン・クローズのリアクション芸を見るだけの映画だ。
リアクションというのは常に受け身だ。アクションではない。
主人公は何も行動していない。
リアクションによる心理描写があるだけだ。
・夫のノーベル賞受賞に対してのリアクション。
・調子こいて若い娘と浮気する夫を見た時のリアクション。
・実は妻が実作者と、ジャーナリストに指摘された時のリアクション。
・授賞式の人前で、勘違いした優しさを見せる夫へのリアクション。
複雑な心境の妻のリアクションを、ドヤ顔でグレン・クローズが演じる。全編グレン・クローズのリアクション芸。
話に意外性はない。
終盤に、ようやく耐えきれなくなった妻が「離婚する」と騒ぎ出す。
最初の10分でやれよ。そしたら面白くなったのに。
映画はアクションであって、リアクションではない。
リアクション芸は、出川哲郎に任せておけ。
リアクション芸というのは、いじられてナンボ。
受け身の芝居なのだ。
主人公がいつまでたっても行動しない、受け身の芝居を1時間40分も観るのは辛い。
そもそも予告編で、妻が実作者というのはネタバレしている。
だから、ジャーナリストが指摘するまでの40分間が超退屈。
手品の種がバレているのに、ドヤ顔で演じられてもしょうがない。

改案
①開始そうそう、妻が授賞式の席上で本当は自分が書いていたと暴露するとインチキ作家の夫に宣言する。
②そしたら阻止しようとする夫との攻防が展開して面白くなるし、本当に妻は晴れの舞台でぶちまけるのか否か、というサスペンスで盛り上がる。
③夫は自分の浮気癖の腹いせかと思い、なだめたりすかしたり、若い恋人を捨てようとして逆効果になったり、あらゆる策を弄する。
④しかし実はインチキ作家の夫に認められず絶望している作家志望の息子が自殺未遂を起こしたので、これ以上秘密にしていたら息子が本当に自殺してしまうと思い、息子のために告白する決意をしていた。
⑤だが夫のために半生を捧げ、今度は息子のために告白するのもどうなのか? そこで初めて、自分のために生きるとは何かを考えた妻が出した結論とは? 果たして授賞式の席上で妻は告白するのかそれとも・・・
一瞬も目が離せないスリリングな展開になると思う(自画自賛💛)。

あくまで、主人公が主体的にどう行動して人生を切り開くのかを見せるべきだろう。
微細な心理描写は小説の領分である。
映画はアクション。リアクションは出川哲郎に任せておけ!!
映画としてデタラメなので星★。
こんな偏見に満ちたレビューを、我慢して読まれた素敵なあなた様には星★★★★★さしあげます!!!
(悪口ばかりでなく読者フォローも覚えた、少し大人になったるるびっちを今後もよろしく~💦)
るるびっち

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