「ファーザー」の次は「ワイフ」を鑑賞。
これまたグレン・クローズの演技が圧倒的な作品でした。
ノーベル文学賞を受賞した夫、息子と共に授賞式に向かう妻。
しかし夫婦には40年間隠し続けてきた秘密があり、その事で夫婦に危機が訪れるお話です。
鑑賞して気になったのが「糟糠の妻」という言葉。
授賞式のスピーチについて夫婦で話をしている際、妻から出てくる言葉なのですが意味がわからなかったので調べたら「貧しい時代から一緒に苦労を重ねてきた妻」ということでした。
この作品の重要ポイントもそこで、40年間縁の下の力持ちとして頑張り、溜め込んできたものがノーベル賞という大きな賞を取ったことがきっかけで爆発寸前になる。
今まではだらしない夫の素行も見て見ぬふりをし家族のために耐えてきたのも、がむしゃらにやらなければいけない事があり、秘密を相談できる人がいなかったからなんだと思う。
しかし今までの活動が認められ、疑問に感じていた事を改めて考える時間が出来、その内容に気づいた記者が近づいてくる事で彼女の信念が崩れる。
世界的に栄誉な賞が負の方向に振れるという展開はとてもユニークで面白かったです。
とにかくグレン・クローズの演技から終始目が離せない。
内に秘めた思いを殺し、常に冷静に振る舞う姿勢が徐々に崩れていく様を全身で演じられていた。
そんな演技があったからこそ手に汗握るスリリングさを味わう事が出来たように思います。