2021ksh

天才作家の妻 -40年目の真実-の2021kshのレビュー・感想・評価

4.0
まずはグレンクローズがお見事。立ち居振舞い、手もとの所作、目つき口元、台詞の間、全て一分の隙も無い。説明不可能の積年の感情が全部表れているような演技、堪能した。
内容はなかなかに大人向け。ちなみに邦題はヒドイ。
妻が黙っていると不安そうに機嫌を取ろうとする夫、完全に妻の大きな器の上で生息している感あり。妻の立場が上なのは見てとれる。一方妻にも長い間の屈辱はあれど、現状維持できた理由となり得る負い目がある。ノーベル賞受賞スピーチで遂に我慢の限界となるも、結論をそうそう簡単には下せないのは大人の事情、夫婦の歴史だろう。時代のせいもある。その辺の含みを持たせた妻の描かれ方が見事。最後、復讐の相手を亡くして上品に締めた感あるがここからがサスペンスなのかも、グレンクローズだけに。
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