ナチスドイツの宣伝大臣にして〝プロパガンダの天才〟ゲッベルスの元秘書が語るのは「知らなかった」「流されるしかなかった」。
インタビューの間に差し込まれる強制収容所の映像が、彼女にも観る者にも「知らなかった」「流されるしかなかった」を許さない。
友人のユダヤ人・エヴァに「私はゲッベルスのもとで働いているから来ない方がいい」と言ったのは？ユダヤ人の行く末を知ってたのではないか？
ラスト近くで語られる「私に罪があるとしたら、あの党に政権を獲らせたドイツ国民の全員に罪がある」は心に刻んでおく。声を上げ続けなければならない。
昨年106歳で亡くなったブリュンヒルデ・ポムゼル。
インタビュー時は103歳。
深い皺、薄い唇、ときどき遠くを見るようになる眼。
スクリーンで観て、焼き付けておくべき。
