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アヴァのまるまるのレビュー・感想・評価

アヴァ(2017年製作の映画)
3.8
思慮が足りない
不安定で危なっかしい
親への反抗とその反動
性への嫌悪・好奇心
過剰な自己嫌悪
衝動的な言動

思春期って大変でしたよね。
ってタチの悪いことに、
思春期って自覚が薄く
大真面目にバカやってた分
本人あんまり憶えてないんですけどw
今現在、年頃の子供たちの行状を見ては、
自分もあんな感じで周りを振り回して、
こんな目で見られてたんだろうなと
苦笑いすること度々。

思春期の主人公には、
抜き差しならない問題が
刻々と迫って来てます。
近い将来、失明する病。
劇中でもどんどん悪化していき、
夜目がまるで効かなくなってました。
幸い僕にはそんな悲しい事は起きませんでしたが、
それでも、あの時期
「オッサンになったら終わりだ」みたいな、
正体不明の焦りはありましたw
訳もなく押し寄せる不安。
「今こそ。今だけ」っていう謎の本能。
あれぞ正に思春期。

理性と絶望の合間をゆらゆら揺れてる
主人公13歳の少女アヴァ。
何をやらかすやら危っかしい。
バカンス先のビーチで
やはり何か危うい少年と出会った。

他人事のようにそびえたつ大人たちの世界。
そこから弾かれた子供たち。
と言うか勝手に弾かれる思春期の子供たち。
何かいろいろ思い出した。
今更ながら思春期ってキッツい。
どこにも自分の作った居場所がない。
生物的に巣立ちの時期ですからねー。
キツくて当然か。


晴れ渡った牧草地。
まっすぐな一本道。
ほんの一時の間。
少年を呼び止め踊りだすアヴァ。
笑顔で答える少年。


危うさの中に、
ほんの一瞬眩い思春期時代が
この映画には確かにありました。



リチャードギアが出てるオランジーナのCMに出てくる佐藤蛾次郎ポジションのマセた子供を彷彿とさせる子供に笑ったw(こっちはリチャード寅さんと違ってうまくいってたけどw)
怖がらせんなw

パッケージ写真。
ウィンチェスターライフルを構えるアヴァのシーン。
そのフレームの外は、もっとすごかったw
そのへんはマカロニウェスタンのノリで観れましたw
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