nccco

クラッシュ・テストのncccoのレビュー・感想・評価

クラッシュ・テスト(2017年製作の映画)
4.0
これ、かなり好きだった。
いかれポンチ女3人のロードムービーと見せかけて主人公以外の2人は早々に戦線離脱。主人公1人になってからの吹っ切れ具合が小気味良く、ラストまで爽快に駆け抜けるこじらせ女子の自分探しと成長の旅の記録。

冒頭で主人公がコサックダンスポーズでダバダバ走るシーンから完全に引き込まれた。ハイテンポで飽きのこない展開、シリアスとコミカルの絶妙な混ぜ合わせ、北欧映画のような独特の色彩美。これはイイ!!

不細工で終始しかめっ面のヒロインが途中からキルスティンダンストに見えてきたりしちゃって。カザフスタン兵とできちゃうとこのハードボイルド感とかたまらない。

旅自体に何の必要性があるのかもはやわからなくなってきたところでヒロインは終着点のインドに至り、そこで人生の意味を理解する。
そのごった煮のような街並みに懐かしさと深い安心感を覚えるのはヒロインだけじゃない。
人類共通の記憶。そこに還っていくのが必然と思わせるような命の賛歌が鳴り響くなか、物語はフィナーレを迎える。
全てを浄化するような多幸感溢れるエンディングにほっこり。

「インドのトランスジェンダーと共感することができ、カザフスタン兵の子供を宿すことができる。これがホントの世界化ってこと。」
nccco

nccco