MasaichiYaguchi

シューマンズ バー ブックのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

シューマンズ バー ブック(2017年製作の映画)
3.5
お酒に強くないので一人でバーに行くとか、カクテルを粋に傾けるということがない私だが、バーとカクテル界のカリスマ的存在であるチャールズ・シューマンを取り上げたこのドキュメンタリーを観ると、そこにある歴史や伝統、そして豊穣さに憧れを抱いてしまう。
このドキュメンタリーでは、ミュンヘンで35年以上に亘りトップバーのオーナーとして、そして76歳の現役バーテンダーとして活躍するシューマンが、ニューヨーク、パリ、ハバナ、東京、ウィーンと、「バーベスト10」に入る名店を訪ね、その店のバーテンダーとバーの在り方や「カクテル」についてレシピを中心に語り合っていく。
夫々の場所毎に合わせてバックグラウンドミュージックが流れるのだが、この音楽と同様にカクテルもレシピや味わいが変化していく。
ただ一つ変わらないのは、どのバーテンダーも訪れたお客達と向き合ってシェイカーを振っているということと、バーは都会人にとって心安らぐ「オアシス」であるということ。
私が今まで抱いていたバーに対するイメージ、高級店は会員制でセレブしか入れないハイソな世界、町場にある安いところは呑んだくれの溜まり場というイメージを、本作は知的な大人の「止まり木」として、バー本来の姿を思い出させてくれる。