KeN

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのKeNのレビュー・感想・評価

4.3
U-NEXTにて。遅ればせながら初見💦

「みんなテレビを観て育つよね。つまり殺人シーンを観て育つんだ。『アイ・ラブ・ルーシー』以外は全部殺人の話だよ。だから こう思うんだ。殺しを教えた連中を殺そう。ここを何処だと思ってる?ハリウッドだよ。人殺しを演じた奴らが住んでる街だ。」by セイディ

いやぁ、面白かった!
見事な脚本・演出・キャスティング、そしてタランティーノならではのセンスの良い選曲♪どれもが素晴らしい。
しかし、Beatlesの「Helter Skelter」を通じて、チャールズ・マンソンを支持するカルト集団によるシャロン・テートらが殺害された事件のことを知っていたので、クライマックスで完全に意表を突かれた…。まぁ、冷静に考えてみたら、タランティーノが脚本を書いていて そんな素直に結末がみえるような作品を作る訳がないよなぁ(笑)

しかし、それにしてもBGMが良い♪Simon & Garfunkel、Joe Cocker、Billy Stewart、Deep Purple、Mitch Ryder & The Detroit Wheels、Paul Revere & The Raiders、The Box Tops、Aretha Franklin、The Rolling Stones、The Association…などなど、時代設定となる60年代のナンバーを各シーンに合わせてチョイスするところはさすがタランティーノ。殊にクライマックスのシーンでVanilla Fudgeの「You Keep Me Hangin' On」使うところなど最高♪

残念ながら、自分は西部劇もマカロニ・ウエスタンもあまり好かんのであまりよく分からなかったけど、『大脱走』や『FBI』『コンバット』など、恐らくタランティーノ自身が子供の頃に観て育ち、様々な影響を受けたであろう映画作品やテレビ番組へのオマージュやパロディがこの作品でも、これでもこれでもかと盛り込まれていて、まさしくタランティーノの趣味嗜好が全面に出ていて楽しかった。

この作品も『イングロリアス・バスターズ』同様、実在する(した)人物や作品、そして出来事が出てはくるけど、たとえ その知識がなくてもエンターテイメント作品として十分に楽しめると思う。ただ、シャロン・テートの事件やチャールズ・マンソンのこと、はたまたヒッピー・カルチャーやフラワー・ムーブメントなど、1960年代末のアメリカの社会背景などの知識を少しでもかじっていたら、更にもっと深く この作品の面白さが伝わってくるはず。ちょっと尺は長いけど、無駄がなく何度も観たくなる作品かな。

う〜ん、やっぱりタランティーノは凄いわ。
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