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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのUSKのレビュー・感想・評価

5.0
セルジオレオーネやコルブッチ等偉人が、西部開拓時代の背景や実在の人物をモデルに好き放題撮影したマカロニウエスタンの様にタランティーノが60〜70年代の古き良きハリウッドを描く。シャロンテート事件の背景を知った上での演出が多く、予め予習をお勧めします。また過去作では「〇〇にオマージュを捧げた」等のシーンは予めテーマから予想出来ていましたが、今回ハリウッドが題材であるが為にネタが膨大な数あり、一つ一つ拾って行くには一流大学の試験並みに予習が必要。(盛)運の良い事にマカロニウエスタン、ニューシネマ、マックイーン、李小龍と自分の大好きな時代なだけあり、「知っている」という興奮と細部の拘りに気づけた興奮で、鑑賞後、我が映画人生のゴールの様な感覚を得て帰り道憂鬱な気分になりました。

ブラッドピットとディカプリオの二視点で主に描かれ、その距離感やW主演を活かしたストーリー構成は斬新で良かった。又ラジオでベトナム戦争を取り上げて時代背景をさり気なく演出し、退屈しがちな移動シーンも意味あるものに変えたり、シーン毎にフィルムを各時代に適した質感に変えたり、タランティーノの気合いの入れようが兎に角凄い。まるでベストアルバムの様な作品です。
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