MichinoriTaka

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのMichinoriTakaのレビュー・感想・評価

4.3
タランティーノの老練な映画作りを堪能できた今作。画面の向こうから、映画内の匂いが思わず漂ってきてしまう、トリッピーな良作でした。

相変わらずタランティーノの選曲のセンスは抜群に良くて、「そこでは当時のラジオを流すのか」とか、「ここでその曲を流すのね」という場面が何度もあった。HushもMrs Robinson も良かったけど、個人的にはCalifornia Dreaminの使い方に胸がぎゅっとなりました。いやー上手いよ、ずるいよ、タランティーノ。

これはアレですねハリウッドに生きる人間の夢を描くという意味では、タランティーノによる『ララランド』へのアンサーソングならぬアンサー映画ですね。

ヒッピーブームに沸いて、お花畑の夢のような60年代〜70年代前半のハリウッドの多幸感をこれまた夢のような「映画」という装置で再現してしまう。何か大きな事件が起こるわけでもなく、日常が淡々と描かれてたのが良い。あとやっぱレオ様とあの少女との迫真の演技は本当凄えっす。悪いことは言わないから、是非劇場で観て下さい。

p.s. Netflixで『マインド・ハンター』S2も観てからこれを観るとより楽しいっす。フィンチャーとタランティーノ、映画好きならどちらも避けて通れない2人がほぼ同時期に同じ時代のマンソン事件を描いてたのは偶然では無いと思う。同じ役者が両作ともマンソンを演じてたというのもオモロイ。
MichinoriTaka

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