シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

4.2
タラちゃん本当にありがとう!映画って本当に自由なんだと分からせてくれて。
シャロン・テート事件は、後でそういえばあの事件か、なるほど…というぐらいで視聴中にはピンと来なかったが、是非予習していった方が良いでしょうね。ただ、そこがあやふやでも、観ている間は、べらぼうに楽しかった。優しい人なんだなあ、タランティーノ。でも、ポランスキーに話は通ってないって本当なの!?(苦笑)
しかし、この映画がポランスキーの慰めになっていればいいなと思います。

虚(うそ)にして虚にあらず、実にして実にあらず、この間に慰(なぐさみ)が有るもの也 ―近松門左衛門

枝葉の部分でも、ブラッド・ピットをブルース・リーと喧嘩で引き分けさせたり(勝たせないのは当然のリスペクトだと思う)、ディカプリオを「大脱走」に出演?させてみたり、やりたい放題にやっています(笑)。ブラピとディカプリオを入れ替えての、「イングロリアス・バスターズ」など、セルフパロディもね。
ブラッド・ピットとディカプリオとジョニー・デップは何となく御三家みたいに感じていて、後二者は共演あるけど(「ギルバート・グレイプ」)、ブラピとディカプリオはこれが初共演だということで楽しみにしていた。二人とも大物になっちゃってるから、ダブル主演でこの二人を使うような超豪華映画でなければ叶わない組み合わせ。大物俳優のダブル共演では、大人の事情なのか同じ画面には一切映らないというのもあったりするけど(「ヒート」とか)本作ではそんなことは勿論なく、二人の仲のよいバディっぷりが観られます(二人はリアルの私生活でも仲が良いんだとか)。低迷から復活を果たす俳優と、売れないままのスタントマン、やがて二人の道は分かれると分かっていながらのつかの間の友情が良い。予告編でも見れますが、泣いてるディカプリオを慰める兄貴分的なブラピのシーンが良いです。
ブラッド・ピットの「no!」が聞けたのも良かった。彼の独特で短い断定的なnoの言い方が好きなんです。その後の「君が タイヤ交換するまで 殴るのを やめないッ!」も(笑)
自分の演技が賞賛されていることにムズムズするような喜びを隠せない俳優たちも何とも微笑ましく、また感動的であります。タランティーノは監督として役者心理をよく捉えていると思います。また、そんなささやかな喜びを感じていたであろうシャロンの人生を奪った暴漢たちへの怒りも当然に込められている。
細かな部分含めて、語りたい事が沢山あって尽きないけど、映画の魔法というのを感じたいなら是非この作品を観て!とオススメしたいです。
すばらしかった。何回でも見たいなあ。