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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのkoyamaxのレビュー・感想・評価

4.5
二回目鑑賞。
シャロンテートも重要ですが、
リックダルトンの話として観ました。

ピークを過ぎ時代に取り残されていく感覚を味わう一人の男。劣等感に苛まれ、全盛期を過ぎたと自覚しつつも生き残る道を模索し映画業界へとしがみついていきます。
設定からしてすでに泣けてきます涙


「誰にもいまは気づかれていないかもしれないが、君はベストをつくしている。
そして、自分が思っているほど
この状態は悪いことではない。
恵まれてさえいる。自分を責める事はない。
生きてさえいれば…。
誰かが見つけて、くれる。
あなたの良さをわかってくれる」


トラボラタやパムグリアを復活させたタラさん。
その映画に引用される事により新たな視点からの魅力を得て蘇った数々の映画、音楽。スター。

ディックダルトンはいままでタラさん映画に出てきた俳優たち、音楽、映画、
みんなが気付かなかった文化に対して向けるタラさんの眼差しの先にあるすべての象徴のような気がします。


物語のターニングポイントが「映画の中には描かれていない事」というのもエポックであり、新しい映画文法をここにきて発明したタラさん。そしてたどり着いたのは、愛。
いや、1作目からあったんですね。やはり素晴らしいです。ありがとうございます。


以下は一回目の鑑賞記録



タラさんの9作目

深夜IMAX前から三列目で鑑賞しました。
観客は全体の席の2割くらい。
その内、一人で観ている方6割。あとカップルでした。

タラさんの映画はすでにひとつのジャンルになっており、最後までどういう話になってゆくのか終点がわからないところが面白さの理由のひとつ。

シャロンテートの事件がベースとなっていることくらいで、あまりあらすじを知らずに映画館へ足を運びました。

以下ネタバレが多少あるとおもいます。





笑いと暴力 その先の愛


ドラマチックな展開がいい意味でありません。ハリウッドでの一日を体感しているかのような穏やかな展開です。
街を車で走るシーンが多く、高速に乗って家に帰るなど距離とスケールを感じられますし、街中を歩く距離感、日暮れの様子など実際に住んでいる住人の一人の気分になります。既にキーワードとして取り上げられていますが「多幸感」がありました。

主演2人のコンビも素晴らしかったです。

この映画でレオさんのくたびれた顔がとても好きになりました。
ブラピさんのあんまり細かい事を気にしてない感じの描写もやはり流石のタラさんです。みんな生きてます。

ひとつの事件を前提としているので、いつ陰惨な陰りをおびるのかが「ひとつの気になること」となっているものの最後の方まで全くふれることなく話が進みます。


その間、細かいところをあげるときりがありませんが全体的にタラさん的な映画内映画、ハリウッドの裏方描写など、知ると面白い楽しさに満ちてます。

ドッグフードのラベルが個人的にハマりました。


ラストは当然取りざたされるんでしょうが
これ程予想を覆された展開はありませんでした。


語弊を招く言い方かも知れませんが、慈愛に満ちた優しい暴力映画だったと思います。
タイトルインと同時に映画では存在しない事になったその事件に想いを馳せ、落涙。

冷静になってからもう一度 映画を思い出しましたが、最後に感じるのはやはりタラさんの深い愛でした。

タラさんのことなのでブラピさんが身代わりに死ぬのかと思っていましたが、死なないでいてくれて良かったというのは個人的思い入れです。

レオさんの火炎放射器インのタイミング、
犬の無敵感は大爆笑でした。

追記
映画としては大満足ですが、
最近の映画は本当に歴史改変、もう一つの世界線を描くの多いですね。。
今年だけでどれだけ観たか^^;
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