なっちゃん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのなっちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
初日に池袋のIMAXで見た。好きだった〜〜大好きタランティーノ

わたしも大人になっちゃって、罪人やからって何してもいいのか?ブルースリーの描き方それどうなん?て思うところもあったりしたけど、最後見たらやっぱり好きなんよな……「むかしむかしあるところに…」というフィクションを強調したタイトルに免じて、良しとしてほしい
まあ映画にだれの許可もいらんねんけど

タランティーノの映画は、タランティーノがめちゃくちゃ楽しんで作ってる感じが1秒ごとに伝わってくるところが大好き
そしてそれが独りよがりじゃないというのが才能。やりたいことやってるだけのように見えて、みんなを楽しませられてるのが不思議。
あと100本作ってほしい。

ストーリーとしては、イタリアに行くまではすごい穏やかで、麻薬も出てこんし暴力もほぼない。牧場で不穏な空気もちょっと流れるけど、まあ日常の範囲内やったし、タランティーノ映画では珍しかった。
淡々と、次の時代に乗れなかった、どこにでもいる普通の人間を描く。これも繊細で丁寧やったな〜

過去の栄光が忘れられないけど、そこに溺れるほど馬鹿でもない。理想と現実と将来に迷って不安定になってしまうリック・ダルトン

そしてその側にいるクリフ・ブースは元軍人で、怖いもの知らずで、大らかなんやけど、覚悟もなく危害を加えて侮辱してくるやつには容赦ない。そういうとこちょっと何考えてるかわからんし、女房殺し説もあるからミステリアスなんやけど、でも信用できる気がする。
実際リックにはとても信用されてたしね。
“Good friend” “I’ll try” のやりとり、お互いが過不足なく期待し合ってる感じが超好きやった
友人関係で見習っていきたい。友達にとってのわたしがいい友達になれるよう努力しよう。

レオもブラピも複雑なキャラクターをリアルに表現してて、さすがと思った。やっぱり頂点よ……

タランティーノもこんな絶妙なキャラクター作れるんやな。これまでずっと浮世離れしてたから(笑)泥棒とか奴隷商人とかイカれた軍隊とか(笑)

そしてラストシーンな〜、好き。
映画みるまで事件のこと全然しらんかったけど、やっぱりあの事件でハリウッドの雰囲気も大きく変わったんやろうか。ROMAばりに監督の幼少期を追体験できるような作品やったがゆえに、当時の状況に興味湧く。

殺人犯やからってなにしてもいいってこと?というとそんなことないけど、幼少期のタランティーノにとってあの事件が「大好きなハリウッドの空気を変えた大きな出来事」と捉えられるなら、映画の中で「もしも…」を語ることは誰も止められないし、止める権利もないよね。そしてリックとクリフの友情の結末もあの事件がきっかけで変わるのだとしたら、めでたしめでたしで終われるよね。
しかもそれがみんなにとってエンターテイメントになるなら余計に。

あ〜もう1回見たい
なっちゃん

なっちゃん