ギズモバイル

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのギズモバイルのネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

≪ざっくり評価≫
ぶっちゃけそこまで面白くは無いが、映画愛と知識を試される映画だと思う。
**********
総合評価 (/7) ☆ 2.7
シナリオ 2
総合演出 4
独創性 4
完成度 3
心理効果 2
相性(*2) 2
**********
【ネタバレ】
主人公の落ち目俳優(ディカプリオ)とコンビのスタントマン(ブラピ)を中心に1969年当時のハリウッドを描く。隣人には悲劇のヒロイン、シャロンテートと旦那のポランスキー在住。加害者側のマンソン&ヒッピー軍団も交えながら事件当日に至るが、加害者達は夫妻の邸宅ではなく隣のディカプリオとブラピのいる家を襲撃して無事撃退されてハッピーエンド。

≪突っ込んだ感想≫
人を選ぶ映画だろう。私は完全に選ばれていない側と自負しているが、せっかくなので選ばれなかった理由をなるべく細かく分析してみよう。

<推測される魅力>
1.ブラピ&ディカプリオのコンビ
2.古きよきハリウッドの再現
3.シャロンテート事件の引用
4.演出全般

ぐらいかな?

1.に関しては、手堅い魅力と言えるが、逆に言うなら監督の作品に対する自信の無さを感じてしまう。そして残念ながら私自身はそれほど俳優のネームバリューに興味ないので魅力としては弱かった。知名度の低い俳優を起用していたら評価はどうなっていたか気になるところ。

2.に関しては、そもそも新しくて悪いハリウッドの事からしてまるで知らないので、比較対照ができず、結果的に何が良いのか解らなかった。スタントマンとのコンビを組む慣習なんかも興味深いが、今のハリウッドのシステムがそもそも解ってないので価値がピンとこない。ディカプリオとブラピにフォーカスしすぎて当時の空気が上手く演出出来ていなかった気がする。それよりもヒッピー文化にもっとフォーカスして欲しかった。ほぼマンソン軍団しか写ってなかったじゃないか。彼らは所謂悪玉菌なので、も少しニュートラルで魅力的なヒッピーも出して欲しかった。まあ偏ったレッテル貼るのが好きな監督なので仕方ないが。ポランスキー宅襲撃した真相も超絶手抜きだったな。パロディネタも知識不足故に不発。

3.は正直映画観る直前に予習したレベルなので、悲惨な事件だと思うが、時代も違いすぎるし別世界の話だし、本当に被害者の方々には申し訳ないがイマイチ実感が湧かないので緊迫感皆無だった。思い入れが無いのは致命的だろう。いや、私と同年代で思い入れあるほうが稀有だと思うけど。ラストのアレンジが独創的だが、正直イングロリアスのヒトラーみたく、散々手垢が付いたネタだからこそアレンジが斬新なのであって、一般人でしかも日本人の私目線では、さっき知ったばかりの事件を思いっきりアレンジされてもインパクトが薄い。いやそもそも歴史改変レベルのアレンジした割には内容が地味だ。どうせやるならヒッピーも数十人に増やして、ポランスキーとかブルース・リーとかも加わって園子温ばりの大乱闘でもして欲しかった。

4.てわけで私のようにそもそも楽しむための前提条件が欠けている人間に残された道は、タランティーノ演出をとことん楽しむこと!…なのだが、色々観た結果、どうやら完全に飽きてしまっているようだ。ファッキンファッキン言いまくる会話も股間攻撃も、かつては楽しめたものだが、今となっては見ていて痛々しい。いや、映画全般が面白ければ良いスパイスにもなるんだけどね。意外と引き出し少ない監督なのだろうか?まあでも次があるなら観てみたい。多分最後の作品になると思うし、淡い期待はしておこう。