Eee

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのEeeのレビュー・感想・評価

4.6
画家がそうであるように、映画監督の映画に対するスタンスは欲望や理想を実現するキャンバスであって全く問題ないわけで、それがもしごく個人的な感情に突き動かされていたとしても、面白おかしく涙を誘ったりなどしながら聴衆に伝われば万々歳なんじゃなかろうか。それがポルノに寄ったり、宗教に寄りすぎてたりしたら話は別だけど、昨今の映画の病的なリアル志向や、病的なアートムービー化に一石を投じるような今作、本当に痛快で素晴らしかった。

映画でしか出来ない、映画だからこそできることを超純粋なタランティーノ目線で詰め込んであって、超純粋な映画オタクが素直に表現した映像なんだから面白くないわけがない。
シャロン本人の映像を嬉しそうに鑑賞するシャロン、映るのは笑顔のシャロンだけ。
史実は変えられなくとも、悲劇ばかりを再現しなくたっていいじゃない、と強く思う。

ともあれ、役者たちが最高。
脂の乗ったかつての(今も?)アイドル帝王タッグは言うまでもなく。泣きの演技が板につきまくりのレオっ子、取り敢えず脱がされたブラピに関しては今後もガンガンいい渋さを育んでいってほしい。
イーサン・ホーク(娘)には最後の1秒で気づいて変な声が出た。
Eee

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