小川勝広

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの小川勝広のレビュー・感想・評価

4.0
シャロン・テート事件で思い出すのは、
コメディドラマ『SOAP』、
テート家で次々に起こる事件を笑い飛ばす。

カルト宗教、悪魔の子懐妊、UFOとの遭遇、祖父は認知症で四六時中軍服着用で紛争地の最前線にいるつもり、空気を読まない腹話術の人形、全てを冷笑する執事(『ミスター・ベンソン』はこの執事のスピンオフシリーズ)等書き切れない。

オーソン・ウェルズ劇場の傑作TVシリーズと共に、再放送もDVD化も望めない。

VHS、βでもいいのでお持ちの方、お宝買います。


さて本作、
♩We haven’t had that spirit here
Since nineteen sixty-nine(1969年)♩

イーグルスがホテルカリフォルニアで
ロック(や生きる為)の魂(スピリット)なんて1969年に置いてきたよ。
(ヒットの継続、売れてなんぼ、の為にルールを受け入れる事を、ロックは死んだと揶揄する者もいた。そして翌年に3人のJが旅立ったのは『ロケットマン』に書いてます。)

と嘆いてフリーズドライされた1969年に
熱湯をかけるのか、
そのまま冷凍保存するのか、
タランティーノは何をやってくるのか楽しみだった。

予想通りといえば予想通り。
70年以前の映画、音楽等のアートはドーピングまたはアルコール入り
(スピリット入り)、
それ以降はノンアルコール(ノンアルコールの良さもある。)。

タランティーノ好き、映画好きにとっは大満足!

でも、しっかりとしたストーリーは無い!
といっても言い過ぎではありません。

「ニューシネマパラダイス」のラストのラブシーンばかり繋いだシークエンス、あれの映画マニア版ぐらいの受け取り方です私にとっては。
私憤から公憤、それを夢憤に昇華させようなんて、タラちゃんも大人の階段昇っていきますか?
ハイ~、
ナイナイナイ!

これが観れただけでも満足です。

ブルース・ダーン、ジェームズ・レマーが元気そうでなによりです。

余談ですが、ブラッド・ピットのようなスタントマンの方々ですが、
70年代くらいまでは個人ベースまたは複数レベルで活動していたようですが、80年代以降、製作費は爆発的に上がります。
「ゴッド・ファーザー」や「明日に向かって撃て」レベルで当時の日本円で5億円から8億円程度、「スター・ウォーズ」10億円レベル。
今や、200億円から300億円はあたりまえ。

それに伴ってスタントマンの方々も会社組織化、多角化でそこそこの規模のビジネスになっています。
(バド・エキンズは単なるマックイーンのバイク仲間なので、本当はスタントマンでは無かったようです。)
なので、おそらくは、ブラッド・ピット扮するクリフのような60年代からの古株のひとたちは、かなりの成功を収めているはず・・・