ねむ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのねむのレビュー・感想・評価

4.4
なんて不思議な映画!!
観てすぐより、半日後くらいからジワジワ来るこの気持ちはなんだ!

最後の最後で怖かった〜!!
ラストまで油断させられて緩んだ心の糸をバチバチに張ったあと、ビョ〜ン…とたった1度かきならされたらおとぎの国だった。最高。

ブラピとレオ出演だから!
タランティーノ作品だから!的な入り口でこの映画を観に来ていたであろうコアではない他のお客さんと同様 無の表情な私が共に劇場を出るという瞬間までシュールで笑えた。

映画館を出るとき大抵の人達はきっとあのスーんとした目をしているに違いない。
いつのまにか映画の世界に連れていかれたあの顔なのです、多分。

最初は、俗に言う『チャンスに恵まれていたレオ(リック)』の苦悩に焦点当ててお話が進むのかなと思っていた。
大きな成功の後に訪れる衰退を感じると、その恐怖の反動は大きくなるものなのか。

セレブになったこともなく大成功した人生でもないが、老いや若さとも似た苦悩かもしれない。

レオ(リック)の感情豊かで繊細な感性は、ほんと俳優という仕事に向いてるんだろうな〜。
自分に喝入れながら涙するような人ときめくやんか。

かたや『持たざる者ブラピ』
なるようになると達観している優しい瞳は、1人で何をしてでも生きていけるし、死ぬならそれまでのことと悟っているように見える。
こちらは丸でミニマリストみたい。
あらゆる欲望もきっとコントロールすることが出来る。
彼はいつだって自分を悩みの原因が肥大した欲望だって知ってるような気がする。

運命に抗う人生と、我欲を手放す人生。
正にこれぞこれこそって感じでちっとも退屈じゃなかった。犬もめちゃんこ良い仕事する。

ヒッピーの女の子、顔がめちゃ好みでしたが、この作品の中の女の子達みんな足の裏真っ黒で笑った。
自由になりたくてノールールの世界を開拓したはずなのに、それは自堕落と紙一重?

人殺しを見せる人々を見返すなら、自分達はどんな方法で誰から同じ目にあうのか。

本当のhappyをそれぞれが求めてるなと思った。
(正解がどれかは置いといて
ねむ

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