エリオット

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのエリオットのレビュー・感想・評価

4.3
Netflixオリジナルの「マインドハンター」というドラマはFBIが連続殺人犯などの凶悪犯にインタビューして今でいうプロファイリングの捜査手法を確立していくという話なのだが、つい最近それを見ていたら捜査員がチャールズ・マンソンに会いに行くという場面が出てきたので偶然とはいえ驚いた。
シャロン・テートはポランスキーの吸血鬼くらいししか見たことはないが確かにとても美しく可愛い。
マーゴット・ロビーはトーニャ・ハーディングのときとは全く違ってひたすらキュートで愛らしい彼女をほとんどセリフもなしに忠実に演じて見せる。
彼女が可愛ければ可愛いほど史実を知る観客は勝手にサスペンスを感じていくという仕掛け…

娯楽の中心が映画からテレビへと映った1960年代後半のハリウッドでは西部劇が作られることも少なくなり、かつての西部劇のスターはスパゲッティ・ウエスタン(日本ではマカロニ・ウエスタン)に出るためイタリアに行く(本作でもデカプリオ演じるリック・ダルトンはセルジオ・コルブッチ監督の映画に出演する!)
そのころもう一人のセルジオであるセルジオ・レオーネはonce upon a time in the west(邦題は「ウエスタン」)を撮っていることだろう。
こんな風に虚実をない交ぜにしながら当時のハリウッドに対する愛を淡々と描くタランティーノ。
他方、当時の俳優と今の現実が若干かぶるようなイメージで、情けなさが目立つがきちんとやるときはやる誇り高き酔っ払いのデカプリオ。
最も頼れるナイスガイで50代半ばにしていまだに筋骨隆々(あのストーリーと何の関係もない屋根の上の上半身裸!)のブラッド・ピット。
このトリオがすごく楽しそうに映画を作っている感が出ていて見ているこちらは嫌な予感に恐れながらもなんだか幸福な気分になってくる…

確かにユマ・サーマンに死亡遊戯の衣装を身につけさせていたタランティーノにしてはブルース・リーの扱いはどうかと思うが…

とにかくタランティーノが60年代ハリウッド映画のスタッフやキャストそして作品を愛し、その気持ちをいつもの独特の会話劇と当時の音楽(ラジオ音源込み)とちょっとしたひねりを利かせた物語とを用いて自分の作品として残したかったのは疑いない。