みかん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タランティーノ監督作品を見るのは本作が初めてです。
なので、本作はタランティーノ監督作品というよりも、主演二人の豪華共演に興味をそそられて見に行きました。
鑑賞前、PG12指定作品であること、シャロン・テート殺人事件を題材にしていること、そしてタランティーノ監督ってなんとなくバイオレンス描写が過激ってイメージだったので、ちょっと構えてしまっていました。
そのせいもあり、スパーン映画牧場でファミリーと対峙するシーンあたりからの緊張感が半端なかった。。。もう嫌な予感しかしない。
まんまと恐怖心を煽られて、息を飲むシーンの連続でした。
そしてその緊張感は、ラストシーンでMAXに。
いやー、最後の最後で振り切ったね!って感じで、思わず笑ってしまいました。火炎放射器とかね!
この猟奇的なバイオレンスさがタランティーノ監督の持ち味なんでしょうか。
往年のハリウッド作品へのオマージュが散りばめられていて、監督のこだわりと愛が感じられます。
私には映画知識が足りていなくて、全て追いきれなかったのがもったいなかった・・・!

本作で一番気になっていたのが、フィクションな主演二人を、実際の事件のエピソードに、そしてシャロン・テートにどう絡めるのかというところでしたが、まさかの最後まで平行線なのにはビックリした。
タランティーノ監督作品お初な私としては、鑑賞後最初に思ったことは、理解が及ばなかったな、というものでした。
正直なところ、この作品にどういう感想を抱けば良いのか、よくわからなかったというか。
60年代後半、泥沼化したベトナム戦争はテレビの普及で全世界にその悲惨さが伝えられていたと聞きます。
その影響もあって反戦運動は広がり、カウンターカルチャーの象徴でもあるヒッピーをはじめ様々な若者文化が隆盛していた時代。
既存の価値観を揺るがす波は映画業界にも押し寄せて、そんな若者たちを巻き込み起きた悲劇の真実を、本作ではあえて変えている。
そこに、リックとクリフというフィクションを織り交ぜてアプローチすることの、タランティーノ監督がこの作品に込めた意図ってなんだったんだろう、と。
シャロンに感情移入するほど彼女の描写がなかったことも(出演作品を見に行って観客の反応を楽しんでるシーンはめっちゃ可愛かったけど!)、それまで描かれていたリックとクリフの映画俳優やスタントマンとしての生き様や、二人の関係とかも、何だったのか?、と。
突然、半年後ってなって解説に切り替わったあたりから、置いてけぼりを食らった感じになってしまいました。
ラストシーンも、クリフがリック達を守るためにああいう振る舞いをしたならまだしも、ラリって殺したっていうのがまた、どう捉えていいかわからない。
それとも、何も考えずに見るほうが良いのか。。。
こうやって、作品について色々思い巡らせるのは楽しいし、映画を見ることの醍醐味ではあるので、面白いのですが。
皆さんの感想も読みながら、消化していきたいと思います。

60年代のハリウッドやその時代の雰囲気や音楽を味わえたのは、見所でした!
リックが必死に演じ苦悩する姿や、クリフから漂う自然さや余裕感とか、すごく良かったです。
個人的にはこの前半の二人の日常の演技がすごくすきでした。
それにしても、ディカプリオもブラピも歳を重ねるほど男前になりますね!
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