みちみつる

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのみちみつるのレビュー・感想・評価

4.8
やはりタランティーノ監督作品は人によってかなり好みが分かれそうだと感じた。自分は相性が良いようで非常に楽しめた。
タランティーノ監督作品の特徴として、山無し落ち無しの会話シーンなどともすると退屈で飽きそうな場面が長く続き、かと思えばいきなり暴力的で刺激的なシーンが炸裂するという“独特な緩急のつけ方”が挙げられると思うのだが、この映画でも思う存分、その良さが発揮されている。退屈だなぁ~と感じても是非最後まで観てほしい作品。暴力的なシーンが苦手でなければだが…
監督が今作を「映画界へのラブレター」と表現していたとおり、60年代映画へのリスペクトが作品を通して見られる。メインキャラクターの1人であるシャロン・テートなど実在の俳優、女優や映画作品なども登場するので当時を知る人が観たら一段と楽しめるのだろうと思う。
また、“シャロン・テート事件”が作品の重要テーマにもなっているため、背景を知ったうえで鑑賞する方が良い。架空のキャラクターである主人公2人が現実に起きた凄惨な事件にどう関わっていくのか…タランティーノ監督の事件へのアプローチの仕方が面白い。自分は前情報を入れたくないタイプなので詳しく知らないまま鑑賞し、あとから事件について調べて疑問が残ったシーンの答え合わせをした結果となったのだがそれでも充分楽しむことはできた。しかし背景を知って観たほうが作品への理解がより深まるしもっとハラハラドキドキできただろうな…と後悔している。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという、豪華過ぎるブロマンスも非常に良かった。やはり2人の演技は素晴らしい。再起を目指し奮闘する落ち目俳優のレオ様と、自分の現状に満足しレオ様を公私ともにサポートするスタントマンのブラピという対比が面白く、2人の信頼関係、友情もグッとくるものがあった。そしてブラピの大人の色気、50代とは思えぬ肉体美が素晴らしい…良い歳のとり方をしているなぁ…

【リピート有無】
今年観た中で1番好きかも。長いので何度も集中して観るのは厳しいが、ながら見でずっと流しておきたい作品。