よんたくろーす

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのよんたくろーすのレビュー・感想・評価

4.6
めちゃくちゃよかった。
この映画のレビューで「セルジオ レオーネ」の名前が出てこないものは、信じてはいけない(個人の意見です)。
タランティーノの映画愛とマカロニウエスタン愛を猛烈に感じる。

この映画を楽しむためには、もちろんシャロン テート事件の話があったことを知っておくことも必要だが、
・ワンス アポン ア タイム イン ウェスト(ウエスタン)
・ワンス アポン ア タイム イン アメリカ
は見るべき。
この映画が"冗長な映画"と感じる人間は、この2作を見ていないからだと思う。
タランティーノ作品の
・ジャンゴ
・ヘイトフルエイト
も見ておいた方がいい。
この4作を見るか見ないかだけでも、評価が天と地ほどに変わりそう。

そもそも、この映画の宣伝文句が間違っている。
「ハリウッドの闇に迫る」なんてウソ。
迫ってなんかいないし、シャロン テート事件は知識として知っておくだけでいい。
自分がこの映画の宣伝文句をつけるなら、「ついにタランティーノが、セルジオ レオーネのワンスアポンアタイムシリーズを撮りました」とつけるだろう。

ワンス アポン ア タイムシリーズは、「時代に飲み込まれた人々」の物語だと思う。
今回のリックとクリフも同じ。
どうにもできない時代の流れに飲み込まれ、苦悩する。
しかし、ただ真似て作るだけがタランティーノではない。
タランティーノ映画のお約束によって、今まで時代に流され続けた人間たちが、時代に抗うことになる。

この映画はタランティーノお得意の無駄話がほぼない。
セルジオ レオーネ映画のように静かだ。
しかし、無駄話というタランティーノ映画の特徴をなくしても、この映画を"タランティーノ作品"と言わしめる要素がふんだんに盛り込まれ、最高のラストを迎えるあたり、タランティーノはホントに凄い。

ブラピとレオも最高。いうまでもない。
ものすごく良い。

大満足の作品だった。