Mikiyoshi1986

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

4.1
冒頭、あれ?いつもの「OUR FEATURE PRESENTATION」がないじゃん…!て思ったけど、後々ちゃんと用意してくれてましたね。

『KILL BILL』では大好きなエクスプロイテーション映画で仇敵をブチのめし、
『DEATH PROOF』では大好きなB級カーアクションでミソジニー野郎をブチのめし、
『INGLORIOUS BASTERDS』では大好きなWW2モノでナチ公をブチのめし、
『DJANGO』では大好きな西部劇でレイシストをブチのめし、
そして今回は大好きな60年代のハリウッドで某カルト集団をブチのめしてくれた皆の復讐請負人タラちゃん。

レオ様とブラピ夢の共演で、ここに最高のホモソーシャル映画が堂々完成しました。
舞台となった1969年はアメリカにとっても、一つの輝かしい時代が終焉を迎えた象徴な年であります。
かつてイーグルスが「HOTEL CALIFORNIA('76)」にて"スピリット"は1969年以来切らしている…と歌ったように、
音楽業界では60年代を席巻したビートルズが「ABBEY ROAD('69)」を最後に解散し、その年のウッドストックフェス以降ロックは次第に産業化へ。

映画業界では若者達が往年のハリウッド映画から離れてテレビドラマやインディペンデントなアメリカンニューシネマへと傾倒していき、
栄華を極めたハリウッド王国も如実に衰退の息切れを見せた転換期。

国内外の政治情勢も混迷を極めて社会の動きや人々の価値観は大きく変わろうとしており、
それまでのアメリカンドリームを讃えた華やかな美徳"ポップカルチャー"が新興勢力"カウンターカルチャー"によって駆逐されてゆく構図は、
まさに本作の題材となった「シャロン・テート殺人事件」の内情に散見されます。

かつて『哀愁の花びら('67)』にてシャロン・テート演じる女優がフランスでポルノ映画に身を落とすみたく、
落ち目俳優リック・ダルトンがイタリアでスパゲッティ・ウエスタン映画に出演するくだり。
スパーン映画牧場にて、ブラピが現代の西部劇を体現する緊迫しっぱなしのシークエンス。
ポランスキー『テス('79)』の伏線などなど、とにかく随所にただならぬハリウッド愛が込められていました。

ブルース・リーのいじり方も100点満点ね。