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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのshxtpieのレビュー・感想・評価

3.5
最近、現代映画へのリハビリとして映画を見ています。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、じつは見ていませんでした。見ていたかのように、周りに話しを合わせていました(笑)。

これは、とにかくクエンティン・タランティーノがやりたいようにやった男子趣味映画で……と、思ったけれど、そうではないタランティーノ映画なんてあるのだろうか。はて🤔

とにかく「わはは」と笑いながら見られるのだけれど、タランティーノの映画らしく、「で?」、「だから、なに?」ってなってしまう。今回はとくにそれが強くて、「だから、なんなんだ」と思ってしまった。あまりにも閉塞的で、逃避的で、居心地がよすぎる。ファンタジーとして見事につくりあげられた、過去の世界。この退屈さがずっと続いてくれればいいのに、と思わないでもない。だからこそ、危険な感じもする。

シネスコへのこだわりはわかったし、スタンダードやビスタを使いたいことも、よーくわかった。おたくめ。西部劇や『大脱走』、『 FBI 』、 1960 年代末期のハリウッドが好きなのもわかった。……だから、なんなの? 160 分かけて描いたのは、むだばっかりの(というか、むだしかない)大いなる退屈さ。なんだかよくわからないけれど、大金を注ぎ込んでこんなにむだなことをやれてしまうのだから、アメリカはすごいね。

いやしかし、シャロン・テートやロマン・ポランスキー、チャールズ・マンソンとマンソン・ファミリー、ヒッピーカルチャーなどなど、こんな程度のもので「予習が必要!」なんて騒いでいたきみたちは、カルチャーの才能がないよ!!
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