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ザ・ハッスルのYOUのレビュー・感想・評価

ザ・ハッスル(2019年製作の映画)
2.9
クリス・アディソンが監督を務めた、2019年公開のクライム・コメディ。

・「有能だけど人間性に問題のある凸凹女性コンビによる悪趣味クライムコメディ/ターゲットの男性をゲットする為に主人公2人があらゆる手を使い互いを潰し合う」という話は、逆『デンジャラス・バディ』もしくは女版『ブラック & ホワイト』。

・オープニングはまさしくクライムコメディ的な洒落た音楽と可愛いアニメーション。ここはかなりの高得点。

・ラストは普通にめちゃくちゃビックリした!悔しいけど、これは鮮やかな一本でした。


例によってプライムビデオの[もうすぐ配信終了]カテゴリーからセレクトさせて頂きました。別に端から大傑作を期待してはいませんが、逆に言えばどんな出来であれ一定の面白さは保証されている作品とも言えますよね。加えてクライム系はお手の物のアン・ハサウェイとアメリカのラブコメシーンには欠かせない存在であるレベルウィルソンのW主演作という事で、保留していたとはいえ期待値はかなり高かったです。ただ、残念ながら個人的にはかなり受け入れづらい作品でございました。その理由は明確でして、端的に言えば「”外しの本質”を完全に見失っている」ということだと思います。やはり『デンジャラスバディ』にしろ『ブラック&ホワイト』にしろ、または『オーシャンズ8』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にも当てはまりますが、「メンバーがヘナチョコ」もしくは「やる事がくだらない」という外し系クライムコメディは何よりもう片方がちゃんとカッコ良くないと意味がないと思うのです。ただ本作の場合は2人がずっと歪み合いながらひたすらくだらない争いを繰り広げているので「犯罪映画/潜入サスペンスに対する外し」という美味しい部分が全く活きていません。その代わりに大量投入されるのはもはや笑えないレベルな下品極まりないギャグの数々で、仮にもクライム映画であるにも関わらず華やかさや小粋さなんかも全く感じられませんでした。という事で、個人的には元々低めに設定していたハードルを更に下回る残念な仕上がりの作品でしたが、こうして文句を書き連ねることで同ジャンルの本質も改めて見出せたような気がします。でもオープニングは超可愛い!
























































































本作は『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』(1988)の男女逆転リメイクという事で、確かに女性を主人公に据えたことによりパッケージ的には現代らしいウーマンス映画たり得ているのですが、最後にあの大オチが付くことでメッセージ的にはむしろ後退してはいませんか?
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