まーしー

グッバイ、リチャード!のまーしーのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.0
余命半年の宣告を受けた大学教授が、余生を自由奔放に過ごそうとするヒューマンドラマ。

主演のジョニー・デップの振り切れ方がすごい。
しかも、助走なく、いきなり振り切れる。
ドラッグでラリっている姿、男子生徒と淫行している姿など、「破天荒」や「粗暴者」という言葉だけでは足りないほどのぶっ飛び具合。
なるほど、自分の残された命が半年となれば、人間はこのような生き方をするのかも知れない。が、それにしても、共感できないほどの奔放ぶりである。
「余命宣告」や「終活」を題材としているものの、こうしたデップの奔放な言動によって作品の内容が軽くなっている。

例えば、デップが関係の壊れていた家族や親友へメッセージを送るシーン。
本来なら感動させられるところだろう。
しかし、そこに至るまでのデップのぶっ飛んだ言動が目立ち、残念ながら感動には至らず。
デップのファンとしてはそれなりに楽しめたが、感動を求めて鑑賞した人には肩透かしを食らう作品かも知れない。
ストーリーよりもデップを愛でることに主眼を置くべき作品だろう。

私が余命半年と宣告されたらどのような過ごし方をするのだろうか?
この一瞬一瞬を大切に生きたい——そう思える作品だった。