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エンジェル、見えない恋人のHKのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
3.4
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の長編全4作品を観終えて、監督作ではないものの製作に名を連ねたベルギー映画をみつけたので、こちらも鑑賞。
本作は透明人間の少年と盲目の少女の恋の物語でした。

主人公のエンジェルはなぜか透明の体で生まれ、誰からも存在を知られないまま母親とひっそり暮らしています。
友だちのいないエンジェルは、ある日、やはり友だちのいない盲目の少女マドレーヌと出会い、まさしく文字通りのブラインド・デートを続けることになります。

主人公は透明で、我々観客にも姿が見えないため、カメラは少年エンジェルの一人称視点が多用されており、我々も一緒にマドレーヌを見続けることになります。
マドレーヌの成長に合わせて幼少期、10代、20代の3人の女性がうまく配役されており、顔立ちも似ていて違和感はありません。

映画全体は、お伽噺の絵本を実写化したような印象でしょうか。
お話の細部はツッコミどころ満載ですが、お伽噺なのでそこは割り切って観る映画なんだと思います。
そこが気になってしまう人向きではないということでしょう。
私はというと、少し気になってしまいましたが。

監督のハリー・クレフェンはもともと俳優でドルマル監督作などにも出ているようです。
自主制作っぽくもあり、詩的なイメージもあり、かと思うと妙にリアルに凝った描写もあります。

ところで劇中で2度ほど流れる音楽に聞き覚えがあると思ったら、40代以上なら知っている(?)淀川さんの日曜洋画劇場のエンディング曲でした。
クラシックかと思っていたらコール・ポーター作の「So in Love」という曲だと知りました。ヴォーカル入りもあったんですね。
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