こまだこま

エンジェル、見えない恋人のこまだこまのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
3.9
ここのところ課題の締切が差し迫っていたり試験があったりと、映画を観るの自粛していたので久々の鑑賞。しかも劇場に行けた。嬉しい。

姿の見えない少年と目の見えない少女の出会いと初恋。お互いの孤独を分かち合い、友情から恋慕へと発展して行く様が初々しい。
映像と構図が美しかった。特に女の子の口元や髪の毛がよく映し出されるのが印象的だった。他者から見えない存在である主人公は、相手の瞳をみることへの怖さなど感じていたのかな、なんて考えた。
あとはフランス語の囁き声フェチにはたまらない作品であった。ルイーズ(母親)とマドレーヌ(ヒロイン)が主人公を"Mon ange(私のエンジェル)"と呼ぶところ、"Ja t'aime" と"Moi aussi" のやり取り、もうそれだけで美しかった。
心の瞳で世界を見ることや、視覚では感じられない存在について考えさせられる作品。
作品の設定や淡々としたストーリー展開など抽象的でファンタジックなため、リアリストさんにはしんどいかもしれない。メランコリーと退廃美と静謐さの三拍子揃っていて個人的には好きな世界観でした。
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