ノラネコの呑んで観るシネマ

エンジェル、見えない恋人のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
4.1
透明人間の少年と盲目の少女の、ユニークで詩的なファーストラブストーリー。
消滅奇術のマジシャンだった少年の父は、ある時失踪し、母が精神病院で透明な赤ちゃんを生む。
触ることで少年を感じる少女は、彼にとって母以外で始めて、自己存在を確信させてくれる人。
しかし成長した少女が手術で光を取り戻すと、二人の関係は変わってしまう。
これは人が人を愛する時に、その人の何を愛するのか?という物語であると同時に、存在に関する寓話。
誰も自分を見ることが出来ないとしたら、果たして自分は本当に存在しているのか?
誰かに自分を感じてほしくて、人は恋をするのかも知れない。
前半はフワっとしたジュブナイルだが、二人が大人になってからの後半はファンタジー風味ながら少年が自分の正体を見られない様、少女に目隠しをさせたりするので、フェチっぽくて結構エロい。
透明人間とする時は、なるほど側からはこう見えるのかと面白かった。