透明人間の男の子と、盲目の女の子のラブストーリー。ユニークな設定に惹かれて鑑賞したけれど、驚いたことにこれが予想の斜め上を行く映画だった！
あらすじからは寓話的な可愛らしいラブストーリーを想像していたけれど、確かに前半は想像通りの物語が展開される。ところが、後半は随所で挿入されるシークエンスに驚く。透明人間の男の子が、入浴中の女の子を覗く男の欲望全開のシーンが出てくるし、さらにはそれを上回るシーンまで・・・。この攻めの姿勢には驚くと同時に、思わず苦笑い。あらすじを聞いた時は、まさかこんなシーンがあるとは思わなかった。
不測の展開はあったけれど、単体の映画としては正直なところ微妙。
「透明人間の男の子と、盲目の女の子」というユニークな設定に対して、物語が「実存」を巡るミクロな話に終始してしまっており、設定の面白さが光らない。ストーリー展開も間延びしていて退屈だ。
ラストの着地もイマイチ。伏線の回収などやりたいことは伝わってくるけれど、本編で議論が皆無の要素を最後だけ提示されても・・・という印象だ。
もう少し面白くなりそうな題材なのに・・・という歯痒さの残る1本でした。
