たけちゃん

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!のたけちゃんのレビュー・感想・評価

3.7
この作品は実話に基づいた架空の物語です( •̀ω•́ )و✧


エルネスト・ダラナス監督 2017年製作
主演トマス・カオ、ヘクター・ノア


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
ちゃんと映画の日に上げようと思ったんですが、レイトの最後で観たので、帰宅したら、もう0時越えてましたね(笑)
なので、開き直って、今日レビュー\(^o^)/

12月1日は「映画の日」なので、朝から劇場へ。
サービスデーなので、普段は行かない劇場イオンシネマに行き、普段は観ない感じの作品を鑑賞!
予告編に釣られてこれを観てきました(^-^)
「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー」

とっても不思議な作品でした。
ある意味これもファンタジー( ˘ ˘ )ウンウン
コメディと言われていたけど、そんなに笑えず。
でも、鑑賞後は爽やかさを感じましたね。


この映画、キューバで撮られたんですよ。
僕は自覚している限りでは、キューバ映画って初めてだと思うんですよね。まるまるの娯楽好きで、ハリウッド脳ですから。
でも、すごく馴染みの良い作品でした。
観ようかな?と思った理由の一つが、ロン・パールマンが出ていることでもあったんで、それも大きかったかも。ロンパーさんである必然性はないんだけどね( ¯−¯ )フッ



今作はリードで書いた通り実話に基づいています。
が、お話のほとんどはフィクションなんです。
そこが面白い( ˘ ˘ )ウンウン


【実話となる部分は!】

1991年12月25日にソビエト連邦が崩壊し、ロシア共和国となったのは、もちろん皆さんもよく知るところです。ゴルバチョフ政権下で進んだ「ペレストロイカ」と「グラスノチ」は、当事者たち自身でさえ思いもよらなかった展開でソ連を崩壊させました。
「ベルリンの壁」が崩された事もそうですが、当時、まさか本当にそんな事が起こるとは!と驚き、まさに今、歴史を生きている!って実感したものです。それほどまでに当時のソ連は強力でした!

この映画は、そのソ連崩壊に際し、ミールに滞在していた宇宙飛行士が、打ち上げ時にはソ連国民であったのに、帰還する際にはロシア国民になっていたという事実に基づいているんです。←ジツワハココダケ


【セルゲイ・クリカレフ】

「最後のソビエト連邦国民」という異名を持つ宇宙飛行士のセルゲイ・クリカレフは実在の人物です。
1958年生まれのセルゲイは、かなり優秀な人物で、1985年に宇宙飛行士に選ばれると1988年にはミール長期滞在のための訓練を受け、1988年11月から翌1989年4月までミールに滞在します。
そして、2度目の滞在に向けた準備の後、1991年の5月にミールに向け打ち上げられ、来るはずの交代要員が人員削減のために減らされたため、結局、翌1992年3月までミールにとどまることになるのです。最終的に311日間宇宙に滞在し、その間にソビエト連邦は崩壊していたという話なんです。
ただし、この映画ではミールにセルゲイ独りで滞在していたように描かれていましたが、実際は、もう1人アレクサンドル・ボルコフ機長も一緒に滞在していました。
この後、セルゲイはアメリカのNASAとの共同プロジェクト「シャトル・ミール計画」に参加し、幾度も宇宙に滞在します。凄い人なんですよ( •̀ω•́ )و✧



実在のセルゲイの趣味がアマチュア無線であったことから思いついたのかもしれませんが、この映画はミールに独りで滞在していたセルゲイからの無線を偶然受信してしまったキューバの大学教授セルジオが、無線仲間のアメリカ人ピーターの手を借り、なんとか彼を帰還させようとするお話なんです。

このストーリーはフィクションですが、そのキューバ人セルジオの生活描写は、監督の実体験に基づくものらしく、かなりの困窮ぶりに胸が痛みました。
キューバの生活など知る由もないので、映画を通して、カストロ政権下で国民がかなり苦しい生活を余儀なくされていたことが分かりました。そんな映画がキューバで作られたことが素晴らしいし、意義あることなんですよね!

映画としては娯楽作ではないので、ワクワクしたり派手なシーンがあったりはしませんが、湿っぽくなり過ぎずに一般的なキューバ国民の生活を知ることが出来たのは良かったです。そこがコメディテイストと言われる所以かな?
貧しいけれど、それでも心が貧しくならずに生きる人達に勇気づけられもします。


「映画の日」に観るに相応しい作品でしたね!
「発掘良品」的な感じです( ˘ ˘ )ウンウン
みなさん、時にはこんな作品もいかがですか?