マ帆

アナと世界の終わりのマ帆のネタバレレビュー・内容・結末

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

予告のおバカB級コメディ感からは想像できない死者数や後半のあまりの暗さ、歌詞でストーリーを進めすぎ・先読めすぎなど色々あって全体的に浅いなと感じてしまい、解禁から楽しみにしていた分拒絶レベルで無理だった初見。その後色々あってこの映画の背景を知り、監督の人柄に触れた上でもう一度観てみたらガラッと印象が変わった。やっぱり映画って2回観ると全然違うな〜。

特に印象が変わったのはアナの周りの主要キャラがほぼ死ぬ(しかも父や幼馴染や親友カップルが死に、嫌味な元カレとあまり接点が無かったいじめられっ子のレズビアンが残る)という結末。

退屈だ退屈だと嘆いたあとでそのかけがえなさに気付くのは青春あるあるで、アナも最初は何もかもにうんざりしてる。そして最も忌み嫌っていた地元にゾンビ(=死んだように生きていたアナのメタファー)が現れ、それを仲間たちと倒していく事でそのかけがえなさに気付いていくのだけど、気付いた頃には大切な人たちが全員死んでる。ここで一度、アナの退屈だった(けど大切な人との楽しい瞬間もあった)世界が終わる。そして映画はニックの「どこへ行こうか」というセリフで幕を閉じる。新しいアナの世界の始まり。

すんごく深かった。。。。

想いを伝えるどころか察してもらう事すら無かったジョンからすれば理不尽極まりないし、やっぱりジョンが死んでニックが生き残る、という結末に関してはうーん🤔なのだけど、実際現実には<ハリウッド映画のようなエンディングなんて無い>し、良い人が死んで悪い人が生き残る事なんて当たり前のように起こる。

という事で、ジョンやリサやクリス、色んな人の日の世界が終わってしまったけど、この映画が描くのはアナ「の」世界の終わり という事で原題はANNA'S APOCALYPSEのほうが良かったんじゃないかなと、、思ったり、、、。

曲も好き!冒頭3曲の流れはやっぱり神。
2度目は1度目以上に泣いた(;_;)
ミュージカル映画で曲の勢いに押されて無条件に号泣する現象にそろそろ名前つけてほしい。
特にHollywood Endingが好き!
‘‘ ディズニーじゃないのに僕は勘違いしてた ’’
とかいう皮肉なジョンの歌い出しはもちろん、その前のイントロで1人ずつ立ち上がりながら”No Such Thihgs As a Hollywood Ending’’のコーラスを足していく人達が掃除のおばさんなど、本来なら映画の登場人物にすらカウントされない ’’フレーム外の人達’’ だったのも良い!

めちゃくちゃ長くなってしまった( 笑 )
マ帆

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