まりぃくりすてぃ

アナと世界の終わりのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
4.0
日本の少女漫画キャラをストレートに三次元化したみたいな高校生たち(まさに主役である美少女アナ♀や、プラチナブロンド美少年ステフ♀や、無難な守り役ジョン♂や、ハッとさせるタイプのリサ♀や、イケてるそのカレ・クリス♂)が単純に眼福すぎて、映画内容は観ても観なくてもどっちでもいいような感じに進む。。中盤までは!

そしてほぼ全レビュアーが同じこと書いてるだろうけど、とにかく劇場でならXマス時期に観たかったなっっ(できれば恋人と一緒にっ)!!っていう口惜しさ。
ゾンビミュージカル、だけどもダンスとかの爆発力よりも音楽の丁寧さ(本格み)がちょっと邪魔なぐらい行儀良さとして目立っちゃってるな、とも私は感じた。。途中には!

主役以外の何者でもないとしか言いようのないアナの人は、カバンのぶつけ方とか、武器を持った時とか、逡巡なくキレッキレ。観客の期待よりも常にコンマ何秒か俊敏なんだよね。それは爽快なこと。
場面としてハッキリ面白かったのは、悲惨な町を陽気な歌でアナが闊歩してくところぐらいかな。。中盤までは。
まあ、U20用映画って感じ? 高校生頃たちが観に来ればいいよ。と諦めかけたのです。。後半に入るまでは。

ところが!!
ある場面以降、ラストまで数十分間が巧かった!!!
悪めな同級生ニック♂が父親のことをアナに重大告白した、そのしんみり場面以降だよ。きちんとした巧さが本当にラストまで持続! ダレなし。奢りなし。感動あり。泣いたよ。
ばっば、ばっばと狩られていく名もなきゾンビたちだって、じつは一人一人、かけがえのない人生をかつては生きていて、大切な家族・恋人・友人とかがいたんだ、尊い生活や想い出や悩みや未来が一つ一つあったんだ、、、ってことを今さらながら気づかされた。心がほかほかしてきた。
そして寒い季節にこそこれ観たかった、っていう不満もまた、「南半球の人たちは毎年毎年こういう違和感をガマンしてXマス迎えてるんだ」って、、、何だか人の立場を思いやる気持ちが湧いてきたよ。
いろんな意味で、優しい気づきを与えてくれるゾンビ映画でした。
孤独な人がリア充を助けに来た、っていうのも少し深い気がする。。
ジャスティンビーバーの比じゃなく有名な、世っ界一の有名人まで最後にゾンビ化しちゃってて、すごく深い終わり方だ。。。。。

歌も、聴いても聴かなくてもどっちでもいいような曲の並び、みたいなことを先に書いたけど、ラストからエンドロールにかけてリプライズされたXマス曲~魚の歌~もう一曲にも、「あー、すごくいい曲ばっかりだなー」って素直にうっとりした。満足。