にしやん

アナと世界の終わりのにしやんのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
3.0
「ショーン・オブ・ザ・デッド」と「ラ・ラ・ランド」の融合がキャッチフレーズの青春×ゾンビ×ミュージカル映画や。
ちょうど2か月ほど前に東宝日比谷で「ショーン・オブ・ザ・デッド」観たとこやねんな。そやからゾンビもんとしてはどうしても比べてまうわ。
本作「アナと世界の終わり」やけど、残念ながら、どう考えても 「ショーン・オブ・ザ・デッド」のほうが、わしには断然おもろかったかな。コメディ×ゾンビとミュージカル×ゾンビやけど軍配はコメディのほうやわ。
なんでかって、「アナと世界の終わり」のミュージカルシーンでなかで、「ショーン・オブ・ザ・デッド」の名シーン、クイーンの「Don't stop me now」​に一つも勝ててへんと思たもんな。あのシーンは、純粋にはミュージカルとはちゃうねんけど、ゾンビ映画で音楽をあんだけ効果的に使た演出っちゅうはちょっと衝撃的やったし、観ててほんまに爽快やったわ。
本作やけどミュージカルで勝負するんやったら、せめてマイケルジャクソンのスリラーみたいにゾンビが一斉に踊り出すとか、もしそれが無理やったら、主人公がミュージカル調で歌って踊りながら、音楽に合わせてテンポ良くゾンビをバンバン倒しまくるみたいな演出くらいはあっても良かったんとちゃうかな。それも長回しのワンカットやったら最高やのに。何とも惜しい気ぃしてまうわ。
それからやな、この映画の中でいっちゃん金かけたと思われる、この映画の中で唯一印象に残る例のクリスマス当日の朝のシーンやけど、これって「ショーン・オブ・ザ・デッド」のパクリ?オマージュ?なんなん?まあどっちでもええど、それにしても似てるっちゅうか、ほぼ一緒やんか。それやのに「ショーン・オブ・ザ・デッド」の方が全然出来がええっちゅうんもちょっと悲しいけどな。
それと、ミュージカルがもひとつやねん。前半ゾンビ出てくる前はそこそこ頑張ってた感じすんねんけど、ゾンビ出てきてからの後半のミュージカルがちょっとグダグダになってしもてる気ぃしたな。歌詞も前半のストーリーの基本焼き直しやし。印象的にも後半は殆どミュージカルの要素消えかかとった感じやわ。
ゾンビの要素かてそないに新しいもんもないわ。仲間が一人づつっちゅうんもお決まりやし、恋人同士もお決まりやし、ゲス野郎もお決まりやし、親子もお決まりやしな。愛するもんとの別れで成長するみたいなんも、既視感ハンパないわ。
要するにミュージカルもゾンビもちゃんと融合できてへんねん。なんかおんなじ映画の中で別々にやってるみたいな。それぞれが中途半端やったちゅうことやな。
ゾンビ映画も世界的に出尽くした感あるだけに、こういう新しい試みはめっちゃ評価するねんけどな。もうちょっと頑張ってほしかったわ。
そやけど、この映画、正真正銘のモロ、クリスマス映画やさかい、恋人同士が家で(なんで12月に劇場でやれへんねん!)観るんやったら丁度ええんとちゃうかな。
最後に、主演の女の子、歌もうまいし、存在感あるし、チャーミングでなかなかよかったわ。
まあ、そんな感じやな。
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