エイデン

アナと世界の終わりのエイデンのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
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12月22日 イギリス、スコットランド
世界では新型のウイルスが流行しており、死亡者も出始めていた
しかし、のどかな田舎町リトル・ヘイヴンでは危機感も薄く、来るクリスマスに向けてムードが高まっていた
高校卒業を控えたアナは、彼女の通う学校の用務員をしている父トニーと2人で暮らしていた
アナは幼なじみのジョンを連れ、父の送迎で登校していたが、その途中 大学へ通わず海外で旅をしたいという夢を、ジョンが漏らしてしまう
激怒するトニーに反論する形で父娘は口論になってしまい、学校に着くなりアナは車を飛び出していくのだった
学校は既にクリスマス会の準備で大忙し
昼になり、ジョンと一緒にいたアナは映画撮影をしているクラスメイトのクリスに動画の感想を求められる
そこに過激な校内新聞を発刊している女生徒ステフが現れ、自分が行っているホームレス救済活動について撮影してほしいとクリスに相談を持ちかける
またクリスの彼女であるリサは、彼らに挨拶をしながら、ショーで披露する歌の練習に向かう
そんな彼らに、嘲笑の声を上げるのがいじめっ子のニックだった
気弱なジョンや同性愛者であると公言しているステフは、ニックとその仲間達の良い的にされてしまっていた
昔ニックと交際していたアナは、うんざりとした様子で彼を眺めるのだった
一方 時期校長の座を狙う神経質な教師サヴェージは、浮かれ気分の生徒達を厳しく取り締まっていた
彼は生徒の下品な振る舞いを見逃さず、ステフの新聞や、リサのドレスに対しても軽蔑の目を向け、口を挟むトニーにも容赦ない言葉を吐き捨てる
放課後になり、各々は用事のために教室を後にしていく
リサはステージのリハーサルのため体育館に赴き、サヴェージは逸脱した行為がないか目を光らせる
クリスはステフの依頼を受けて撮影のためにホームレスの避難所を訪れ、アナとジョンは同じアルバイトのためにボウリング場へと向かう
多くの生徒達は学校に残り、クリスマスの準備に勤しんでいた
その頃 未知のウイルス感染がリトル・ヘイヴンで爆発的に広がっていた
感染して死んだ人間はゾンビとなって蘇り、学校へと集まっていく
アルバイトを終えたアナとジョンは、偶然にも街の異常に気が付かないまま帰宅するのだった
翌朝 寝坊をしたアナはトニーが帰っていないことに気付き歩いて登校するが、既にゾンビパニックは街中に広がっており・・・



青春ミュージカルにゾンビ襲来!
異色のコラボが生み出した変わり種映画
雪の女王の次は世界の終わりとはアナちゃんも大変ですね

まず感じるのがトレイラーとの印象違いかな
『ショーン・オブ・ザ・デッド』も引き合いに出されてるからハイテンションなコメディ・ホラーな印象を受けるけど、ガッツリ人も死ぬし、むしろ後半は暗め
思ったよりも毛色が違って来るので鑑賞する前に注意してほしい

個人的には青春映画の性格を上手くゾンビ映画と絡めた作品なのかなと思ってる
主人公のアナの場合は大学に通わず、田舎町や鬱屈した人生から羽ばたきたいっていう願望に表れてるわけだけど、裏を返せば今の世界への不満とも取れる
わかってくれない大人達や、思い通りにならない世界、押しつけられる常識、一歩を踏み出せない自分とか、そういうものから解放されたいという欲求は特にティーンなんか持ちがちなんじゃないかな
「明日 学校に隕石落ちて休みになんねえかな」とか「テロリストが学校占拠して戦う展開にならないかな」ってやつですよ
そういう認識してる世界をぶっ壊したいっていう願望が、最悪の形で向こうからやって来てしまうっていうのが本作のプロット

世界の終わりは想像以上に過酷だけど、そうなって初めて自身の力や愛や友情が浮き彫りになってくる
残酷なまでの展開は正直予想以上で気が滅入るけど、その中で成長する姿を細やかな描写で表現するというのはなかなか面白いアプローチだった

もちろん歌とダンスも忘れちゃならない
特に歌良かった
あまり観ないキャスティングながら、十分に満足できるもの
ゾンビ映画として観てしまうと微妙なところも目立つので、あくまで青春映画観てたら急にゾンビ出てきたくらいの気持ちで観よう
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