まこと

獄友のまことのレビュー・感想・評価

獄友(2018年製作の映画)
3.9
「彼らはかつて殺人犯と呼ばれた」
ずっと観たかったドキュメンタリー。とうとう初配信。しかもミニシアターエイドのように利益は寄付されるとか。何と優しい世界。。。

「きっと前世では夫婦だったのかも」
同じ刑務所に入り、同じ冤罪仲間であった友人をそう呼ぶ。
観るまでは、警察や国に対して恨みつらみを吐きまくるような展開になると思っていたけど、全然違かった。
彼らは明るい。
刑務所での話を辛い話としてではなく、笑い話にすらする。
「私、冤罪だけど刑務所に入って良かった、なんて思ってます」
そう答えている姿が印象的。

20代のとき冤罪で投獄された彼は、死刑執行に怯えながら48年も牢にいれられ、出所後も精神は完全に戻らなかった。
彼は、意味もなく部屋の中や近所を歩き回る。何故か、と問われても答えられない。
きっと自由に歩くこともままならい、狭い牢の中に長年いたからだと思う。

食べたい物を食べたいときに
好きなことを好きなときに
それが自由ということ。

将棋を指す彼の表情は紛れもなく自由だった。
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