とえ

焼肉ドラゴンのとえのレビュー・感想・評価

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)
3.5
面白かったなぁ
家族が全員、全身で感情を表現してぶつかりあっているのが
まさに、韓国人らしい愛情表現で、
日本が舞台なのに、そこは日本でなく、韓国のようで韓国じゃない感じがして
その異国感が面白かった

1969年から71年の高度成長期
万博開催に沸く関西の小さな町で、韓国人一家が経営する小さな焼肉屋「焼肉ドラゴン」を舞台に
そこで暮らす人々の悲喜こもごもを描く

これは、私が生まれる前の話だったので
そうか〜
この時代はこんな感じだったのかぁと思いながら観た

貧しいながらも細々と働きながら暮らす彼ら
時には感情をぶつけ合って衝突してはケンカをし
時には抱きしめあって慰め合い
時には酒を飲んで笑い合う

しかし
彼らが暮らす環境は厳しく
差別や偏見と戦い、それに抵抗してケンカし
中学生の末っ子は学校でイジメに遭ってしまう

それに彼らが暮らす地域は、国有地に建てられたバラックで
高度成長期の土地開発に伴い
役所から立ち退き命令がくだされてしまう

前半は、そんな厳しい環境でも、ともに衝突しながら支え合って暮らしているが
後半は、彼らがそれぞれの生きる道を選択する

高度成長期の裏で必死に生きていた彼らの存在を知り、
その後の彼らの選択には
日本人として切なくなってしまった

この時から50年が経とうとしていて日本は先進国になったけれど
彼らが住みたいと思う国になっただろうか
アボジに聞きたいなと思った
とえ

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