しゅう

焼肉ドラゴンのしゅうのレビュー・感想・評価

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)
3.8
元の舞台は未見。

演劇好きとしては、評判の芝居「焼肉ドラゴン」をこの素晴らしいキャストで映画化してくれた事に感謝。特に韓国人キャストとして実績のある名優達が加わった事により、「直輸入」の韓国成分がグッと増したのが嬉しい。

基本的には芸達者達の濃ゆーい芝居を堪能するだけで充分なのだけど、幾つか不満点も。

描かれるのが、殆ど主人公一家の経営する「焼肉ドラゴン」とその周辺の在日部落に限られるのは、元が舞台故の制約なのだろうけれど、映画化にあたってはその外側にある日本人社会との関わり合いについても、もっと描いて欲しかった。

例えば、冒頭で語られる結婚届を提出に行った役所での喧嘩なんて、寧ろ物語の導入として描くにはうってつけのエピソードに思える。

また、哲男の希望する北への帰国事業についても、もっと具体的に描いてくれた方が、現代日本の観客にも社会的な背景がより伝わったと思う。
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