きよこ

焼肉ドラゴンのきよこのレビュー・感想・評価

焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)
3.8
「自分にとって居心地のいいお店ってありますか?」
私にはまだない。いつかは欲しいなあと夢みてる。行きつけのお店は男性には結構あるんだろうけど、子供がいるのもあってなかなか家を空けることはてきない。これは、ある長屋の焼肉ホルモン屋の家族のお話。


大泉洋さん観たさで鑑賞。『三丁目の夕日』ぽいのかなって甘くみてたけど。思ってた感じではなく、重く深い内容だった。人権問題。差別。不器用な愛。不倫。いじめ問題。立ち退き問題。あらゆる問題が山積。なんなら『焼肉ドロドロ』って改名してもいいくらい(笑)。焼肉食べてるシーンはほとんどない。
しかし、役者達の熱量がもの凄かった。すぐに発狂するからちょっと引いてしまったりケンカも多い。これも家族の有り様だとは思うけど。これは舞台向きだなあと思っていたら、舞台が先だったらしい(笑)。たぶん監督も同じだから演出も似た感じになったんだろうな。ワンカットが長かったりしてちょっとテンポが悪かったかも。


ほんとに辛かったのは中学生の息子。空に河原に何度も叫ぶけど、誰の心にも届かない。親は分かっていてもこれから背負っていく宿命に負けるなと背中を押す。無力感に襲われて無性に寂しくなる。在日韓国人への差別のメタファーになっていて観ているほうも苦しかった。


クスっと笑えるコメディも散りばめられていて、特にモジャモジャ頭のフィアンセが好き。なんか、役所広司さんに見えて仕方なかった(笑)まじ笑える。マッコリ対決も楽しい!少しくどいけど。あと、真木よう子の水も滴る右足に何度もエロスを感じるのは私だけではないはず(^^ゞ


そして、アボジとオモニの存在感には脱帽でした。顔も佇まいも笑顔も怒る顔も韓国のお父さんお母さんって感じ。ラストのリアカーのくだりはすっごい好き。


明日が信じられるなら。
あの叫びはお空に届くかな…☆