EDDIE

ファイナル・スコアのEDDIEのレビュー・感想・評価

ファイナル・スコア(2018年製作の映画)
4.2
ただのB級映画と思うなかれ!しっかりと王道をついてくる内容には思わずニンマリ。爆発シーンやアクションシーンなど、大迫力で飽きることなく楽しむことができる良作でした。

肉体派アクションスターとしてのキャリアを歩んでいるデイブ・バウティスタが主演で、さらにピアース・ブロスナンが競演ってことでこれは観るっきゃない!と劇場に足を運びました。
正直内容はそんなに期待してなかったんです。けど、登場人物にサッカースタジアムのバイト?の彼ファイサルを入れてきたのがいいアクセントになってましたね。
ラストは結構彼の行動に感動しましたよ。

嬉しかったのはバウティスタがきちんと活躍して見所満載な点。WWE時代から彼を知る人間としては、こうやって主役として一本立ちしたことが嬉しくてたまらないんですよね。
特にアクションシーンは大きく2点。キッチンでテロリスト2人と対決するシーン。アクション映画の萎える部分って主人公が強すぎるってのが多いことなんですよね、個人的に。ただ本作の主人公マイケルは軍人でネイビーシールズという特殊部隊出身という輝かしい実績を引っさげながら、敵との戦闘では「きちんと」苦戦します(笑)で、アクション映画の敵キャラとしてよく起用されるマーティン・フォードが出てきた瞬間もアガったんですけど、この2人の対決がなかなか趣向凝らしてて面白い。まぁ結果としてR15+ってのも納得なやられ方なんですけど、ここは必見ですね。
あとはフォード演じるヴラドの彼女タチアナ(だっけ?)とのバイクでの追いかけっこがまた迫力満点!このシーンだけでも十分に観る価値あります。

本作のテーマは贖罪と革命ですよね。贖罪は主人公であるマイケル、革命はテロリストのリーダー・アルカディ・ベラフ。
マイケルは弟のように慕っていた同僚を戦地で亡くしており、その罪滅ぼしとしてイギリスに住む奥さんと娘を訪ねるんですね。娘はマイケルのことを慕っているものの、やはり父の死に対しては明確な答えを知らずモヤモヤ。だけど、今回の事件を通じて、父のことを改めて尊敬し、マイケルと改めて心を通わせるんですね。
一方で、アルカディは過去のロシアの革命家で独立を目指して活動していたものの、ブレーンである兄が死亡、自身は投獄されるんですが、実は兄がイギリスで生きているという情報から伝統あるサッカースタジアムを占拠するんです。そんなお家騒動で35,000人もの人間を巻き込むなよとも思うんですが、ピアース・ブロスナン演じる兄のディミトリは心を入れ替えてるんですよね。弟は兄を迎えにきたとばかりにテロ行為を実行するのですが、兄の回答は期待したものとは違いました。ロシアで兄弟ともども改めて革命を起こそうと企んでいたものの、計画は水の泡。
いや、ホントただのB級映画と思って観に行ったのに、人間ドラマしっかりしてるじゃない!と。

アクションシーンとこの人間ドラマ模様は絶妙でした。映画館で観て良かったと感じた作品です。
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