映画の始まりから、好きだ。
この始まりはたまらない。
オープニングからタイトルが出るまでで
僕はちょっと鳥肌を立てている。
最初に映画館で観た（ロッキー）は
（ロッキー4）だった。
大ヒットしたし、周りもみんな
観ていたし、感動したのも覚えている。
だけど作風としては、1や2が好きだった。
派手だな、規模がデカイなって思った。
だから、アポロの息子とドラゴの息子が
今回闘うと聞いて、面白そうだなって
思う反面、また必要以上に派手になりそう
だなって心配もあった。
勝った負けた。敵、味方。みたいな。
だけど、そんなことはなかった。
そこには初期の頃に通じる、
人間ドラマがあった。
いくつもの父と子のドラマがあった。
ほとんどの映画は、主人公の
バックグラウンドを2時間ほどで
理解しなければいけないが、ロッキーに
関して言えば.43年分の時間がある。
僕らはロッキーが地下ボクシングでの
たった5000円くらいのファイトマネーや、
借金取りの仕事に就いていたことも、
ペットショップで働く女性のことも、
アポロとの特訓の日々も知っている。
だから、スタローンの演技に、心が
揺さぶられる。スタローン良かったね。
こんなにも味わいのある演技をする
んだな、スライ。びっくりしたよ。
ドルフ・ラングレンも良かったよ。
悲壮な、語られない過去を感じさせる
佇まい、表情、演技、素晴らしかった。
丁寧に描かれるそれぞれのドラマ。
これまでの、そして、これからの人生が
描かれていることに、胸が熱くなる。
とても。
あと、音楽の使い方が素晴らしかった。
最優秀助演音楽賞をあげたい。
